デキサメタゾン製剤の制吐薬としての開発に関する要望については、


以上のICARIA-MM試験の結果よりPaul Richardson氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブ+ポマリスト+デキサメタゾン併用療法は、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)を改善し、忍容性も問題ありませんでした。”


デキサメタゾンは、1958 年に開発された合成副腎皮質ホルモンで、グルココルチコイ

ファビピラビルは本邦で開発されたRNAポリメラーゼ阻害薬で、元々インフルエンザ感染症の治療薬として開発されたが[16]、催奇形性を有すること等から上記効能についてはリスクベネフィットバランスが得られないとの判断で承認されず、製造販売は行われていない。しかし、作用機序から従来の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対し治療効果が得られる可能性を鑑み、当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品として承認を受け、国内に備蓄されている。COVID-19に対しても作用機序から治療効果が得られる可能性があることから、本邦においては、COVID-19入院患者に対して医療機関の判断で本剤をCompassionate useとして投与する場合、藤田医科大学が実施する抗ウイルス薬観察研究への参加を前提に薬剤が提供されており、2021年2月28日現在、抗ウイルス薬観察研究への登録患者数は10956例である。

COVID-19のような新興感染症では、発生時点では治療薬は存在しないことが多い。このような状況で取りうる手段として、既存薬や他効能で開発中の医薬品の中からの有効薬剤の探索(repurposing)がある[14]。この手法では新薬開発の大きな壁である「安全性」がある程度担保できていることから、有効なものが見出せれば大きな社会的効果が期待される。以下のような既存薬が候補として取り上げられ、本邦においても臨床試験が実施されている。

デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンとして強力な抗炎症作用を有し、副作用の少ないコルチコ

本剤も上述の支援事業の対象品目であり、今後国内開発が進められることが期待される。

Sotrovimab は2003年のSARS回復者から分離された抗体を基に開発された単クローン抗体製剤であり、SARS-CovとSARS-Cov-2間に共通して保存されるスパイク糖タンパクのRBD領域上のエピトープを認識するため、変異株等に対しても幅広いスペクトラムを有することが推測されている。重症化リスクを有する発症早期の軽症~中等症外来患者を対象としたCOMET-ICE試験では、本剤500 mg又はプラセボの単回静脈内投与から29日目までの入院又は死亡率を評価した。FDAに提出された中間解析の結果では、プラセボ群7% (21/292例)に対し本剤群1% (3/291例)であり、入院又は死亡リスクを85%減少させた(p=0.002)。本結果を踏まえ、FDAはSotrovimab 500 mgの緊急使用許可を2021年5月26日に発出した。

デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンとして強力な抗炎症作用をもち、副作用の少な

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

本試験が実施された背景として、多発性骨髄腫の治療法の開発は近年急速に進展しているにも関わらず、未だに治癒のできない疾患である。そのため、治癒可能になる治療方法を開発する必要がある。以上の背景より、抗CD38モノクローナル抗体であるイサツキシマブベースの治療レジメンを開発するため本試験が実施された。

新型コロナウイルスに対し、様々な既存の治療法の効果を試す世界的規模の臨床試験の一貫として、デキサメタゾンが試された。 ..

ICARIA-MM試験とは、再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対して28日を1サイクルとして1, 8, 15,22日目にイサツキシマブ10mg/kg(2サイクル目以降は1,15日目)+1~21日目にポマリスト4mg+1, 8, 15, 22日目にデキサメタゾン40mg併用療法を投与する群、または28日を1サイクルとして1~21日目にポマリスト4mg+1, 8, 15, 22日目にデキサメタゾン40mg併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)を比較検証した無作為化非盲検多施設共同第3相試験である。

2019年6月13日から16日までオランダ・アムステルダムで開催された欧州血液学会(EHA)にて、再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する抗CD38モノクローナル抗体であるイサツキシマブ+ポマリドミド(商品名ポマリスト;以下ポマリスト)+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のICARIA-MM試験()の結果がDana-Farber Cancer InstituteのPaul Richardson氏らにより公表された。


本報告で開発した方法を適用可能(定量限界はデキサメタゾン及びベタメタゾンと.

その他、感染回復者から、SARS-Cov-2のスパイク蛋白上の受容体結合ドメイン(RBD)を標的とした中和抗体を同定・分離し、新規抗ウイルス薬として開発する試みも進行中である。現在臨床試験での有効性を示唆する結果に基づきFDAから緊急使用許可を取得し、重症化リスクを有する軽症~中等症外来患者に投与可能な抗体製剤は、下記の1) ~3) の製剤のみである。

デキサメタゾン併用療法の有効性・安全性を検証・ポマリスト+デキサメタゾン併用療法と比較し、無増悪生存期間、客観的奏効率が改善した

両抗体は、各々北米と中国のCOVID-19回復者血漿より分離された抗体を基に開発された中和抗体であり、認識するエピトープは一部異なるものの重複している。発症早期の軽症~中等症外来患者を対象としたBLAZE-1試験のⅡ相パートでは、Bamlanivimab 700 mg(101例)、2800 mg(107例)、 7000 mg(101例)又はBamlanivimab 2800 mg+Etesevimab 2800 mg(112例)の単回静脈内投与から11日目のウイルス減少量を、プラセボ(156例)と比較した。ベースラインからのウイルス変化量は、プラセボ群-3.80 Logに対し、各投与群で各々-3.72 、-4.08、-3.49及び―4.37 Logであり、併用群においてプラセボとの有意差が確認された(群間差:-0.57[-1.00, ―0.14]、p=0.01)。同試験のⅢ相パートでは、Bamlanivimab 700 mg+Etesevimab 1400 mg群とBamlanivimab 2800 mg+Etesevimab 2800 mg群が設定され、投与後29日目の入院又は死亡率を、各々のプラセボ対照群と比較した。

デキサメタゾンは、副作用の少ないコルチコイドとして開発された合成副腎皮質ホルモンであり、強い抗

また、回復者血漿から一定量かつ高濃度の抗体を含有する抗SARS-CoV-2高度免疫グロブリン製剤(H-Ig)を精製し、医薬品として臨床効果を検証する試みもある。NIAID主導で、CoVIg-19アライアンス(CSL Behring、武田薬品他4社)よりH-Igの提供を受け、重篤化リスクを有する成人COVID-19入院患者593例を対象に、レムデシビル併用下に疾患リスク軽減効果を評価する国際共同プラセボ対照二重盲検RCT(ITAC試験)が実施され、国内の医療期間も参加したが、CoVIg-19アライアンスグループからの報告では、主要評価項目について統計学的に有意な差は認められなかったとされた。

デキサメタゾン含有フィルム製剤の開発と抗がん剤投与時の制吐における有用性の研究

RdRPによる転写を阻害するグアノシンの核酸アナログ製剤であり、C型肝炎の治療薬として開発が進められてきた経口摂取が可能な化合物である[8]。In vitroでSARS-CoV-2の増殖を阻害することが報告されている[9]。本剤は厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症治療薬の実用化のための支援事業(以下、支援事業)」の対象品目であり、現在軽症~中等症外来患者対象の国際共同第Ⅲ相試験(MORNINGSKY Trial)に、本邦も参加している。

1頭当たりデキサメタゾンとして、下記量を1日1回皮下又は静脈内に注射する。 牛 ..

MK-4482/EIDD-2081はRdRpを標的としたシチジンアナログ製剤EIDD-1931 (b-D-N4-hydroxycytidine)のプロドラッグであり、経口摂取が可能な薬剤である[6]。2000年代初頭にC型肝炎の治療薬として開発が進められて化合物であり、インフルエンザAやRSに対しても阻害活性を示す。EIDD-1931はchain terminatorとして作用するのではなく、シチジンの代わりに転写RNA鎖に取り込まれるとこで嬢RNA鎖に変異を誘導してウイルスを不活化する[7]。その作用機序から宿主のゲノムに対しても催奇形性が危惧されたが、動物実験ではその危険は示されなかった。

[PDF] 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液

SARS-CoV-2の生活環の中で必須の酵素、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)とメインプロテアーゼを標的とした新規化合物の開発が進んでいる。現在国内で臨床試験に進んでいるものもしくは今後開発の可能性のある製剤が3種類あり、その成否に注目が集まっている。

デキサメタゾン内服8mg、または、デキサメタゾン静注6.6mgの治療の有効性を検討 ..

抗炎症効果に加え、in vitroにてSARS-CoV-2のエンドサイトーシス経路の阻害作用も推測されたことから[5]、企業主導の国際共同二重盲検プラセボ対照RCT(COV-BARRIER試験)の他、入院COVID-19肺炎患者1033例を対象に、RDV併用下での本剤の有効性及び安全性を評価する国際共同プラセボ対照二重盲検RCT (ACTT-2試験)がNIAID主導で実施され、本邦も参加した。回復までの期間の中央値は、本剤群で7[6,8]日、プラセボ群で8[7,9]日であり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されたが(ハザード比:1.15[1.00, 1.31]、p=0.047)、この効果は、ベースライン時に酸素投与が必要であった患者にてより顕著であった。

開発デキサメタゾン含有口腔内速溶解フィルム製剤の有用性に関する研究2012

炎症性サイトカインによる免疫活性化細胞内シグナル伝達において重要な役割を果たすJAK等のチロシンキナーゼを選択的に阻害する薬剤は、COVID-19重症例における抗炎症効果が期待される薬として着目され、各種試験が実施されている。本邦で承認されているJAK阻害薬は、関節リウマチ(RA)等の適応を有するトファシチニブ、バリシチニブ、ペフィシチニブ、ウパダシチニブ、フィルゴチニブの他、骨髄繊維症及び真性多血症に効能を有するJAK2選択的阻害薬ルキソリチニブの6剤だが、バリシチニブはJAKの4つのサブタイプ(JAK1~3及びTYK2)のうち、主にJAK1/2を選択的に阻害する経口薬であり、本邦ではRA及びアトピー性皮膚炎で適応を取得している。

(EMA)は18日、新型コロナウイルスに感染して呼吸補助が必要な重症患者に対するステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン ..

国内で実施された臨床試験としては、藤田医科大学が代表施設として実施された特定臨床研究と企業治験がある。前者は、無症状・軽症患者89例を対象に、本剤を1日目より投与開始する通常投与群と、6日目より投与開始する遅延投与群の2群を比較する多施設共同非盲検RCTであり、主要評価項目である6日目までの累積ウイルス消失率は、通常投与群で66.7%、遅延投与群で56.1%、調整後ハザード比は1.42[0.76, 2.62](p=0.269)と、陰性化率は通常投与群で高い傾向を認めるものの統計学的に有意な差は認められず、他の有効性評価項目についても同様に両群に有意差は示されなかった。後者は、肺炎患者を対象としたプラセボ対照単盲検RCTであり、中間評価の結果に応じて症例数を増やすアダプティブデザインで実施され、中間評価を行った独立委員会からの勧告により、当初の予定症例数96例から症例数が増加され、最終的に156例の患者が登録された。主要評価項目は症状(体温、酸素飽和度、胸部画像)の軽快且つウイルス陰性化までの時間と設定され、各群の中央値は本剤群11.9日、プラセボ群14.7日、調整後ハザード比1.593[1.024, 2.479](p=0.0136)であり、統計学的に有意な差を認めた。

デキサメタゾン(英: Dexamethasone)は、ステロイド系抗炎症薬 (SAID) の一つである。炎症の原因に関係 ..

COVID-19に対する有効性について、オックスフォード大学主導で英国にて実施中の大規模な非盲検ランダム化アダプティブプラットフォーム試験RECOVERY試験にて、標準治療群(4321例)とデキサメタゾンを一日6 mg(経口又は静脈内投与)、最大10日間投与する群(2104例)とで28日までの死亡率を比較した結果が公表された。全体集団においても、標準治療群25.7%と比較し本剤群22.9%と、本剤投与にて死亡率は有意に低下したが(年齢調整率リスク比 (RR): 0.83[0.75, 0.93]、p

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デキサメタゾンは合成副腎皮質ステロイド剤の一つであり、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用など、広範囲にわたる作用があり、国内では重症感染症等多岐にわたる適応症を有する既承認薬である。他のステロイドと比較し抗炎症作用が強く半減期が長い特徴があり、ミネラルコルチコイド作用は低い。