前立腺がん検診の不利益として,次に示すような問題が挙げられる。


プロペシア錠の成分フィナステリドは、男子胎児の生殖器官の発育に影響を及ぼす恐れがあるため、妊婦の服用を固く禁じています。そのため、プロペシア錠を服用したままの子づくりや妊娠中の性生活に悩む男性が多くいらっしゃいますが、フィナステリド成分が精液に移行する量は、1mgを服用した場合でも投与量の0.00076%以下(MSD調べ)と極めて僅かであり、基本的には問題はありません。
しかし、万が一のことが起こった時に「薬のせいかも知れない」と悔やんでいただくことのないよう、Dクリニックでは、子づくりを希望される時期の6か月前にはプロペシア錠の服薬をやめて体内から成分を完全に排出していただく(ザガーロは1年程度)とともに、妊娠に影響のないミノキシジル外用薬でAGAの治療を続けていただくようにご提案しています。


5α還元酵素阻害薬、前立腺がん発症を予防、生存は改善せず/NEJM

前立腺癌は目立った症状が現れにくいことも多く、血液検査で前立腺癌の早期発見を可能にする「PSA」検査は自治体が行う前立腺癌検診などでも広く取り入れられています。

プロペシア(フィナステリド)の副作用として、性欲減退や勃起不全などの性機能障害があります。製造販売元であるMSD株式会社が行った臨床試験によれば、276例中3例(1.1%)で性欲減退、2例(0.7%)で勃起不全が見られました。はっきりとしたメカニズムは分かっていませんが、プロペシア(フィナステリド)は男性ホルモンであるテストステロンにも影響を与える薬です。テストステロンは、勃起のために必要なホルモンであるため、勃起の硬さや持続性の低下にも関与している可能性が指摘されています。
いわゆる妊活をされている方などは、薬の副作用によって妊孕性に影響を受けているかもしれない、という疑問や不安が払拭できない場合もあるため、心配な方はあらかじめ医師に相談しておくのがよいでしょう。

「プロスカー」に前立腺癌予防効果、NEJM誌で原著論文が早期公開

プロペシアはジヒドロテストステロンの産生を抑制することで、高いAGA治療効果を期待できる内服薬です。その効果は頭髪だけにとどまらず、前立腺の細胞に作用して前立腺肥大症や前立腺癌などを発症、進行を抑えることも知られています。そのため、海外では実際に前立腺疾患の治療薬として使用されていた時代もありました。

「PSA」は前立腺で生成され、精液中に分泌されるたんぱく質です。通常、血液中にはごく微量しか存在していませんが、前立腺肥大症や前立腺癌、前立腺炎など前立腺の組織にダメージが加わる病気を発症すると血液中に漏れ出るようになります。前立腺癌に代表される前立腺疾患は、その血中濃度を測定することで、スクリーニングが可能なのです。

前立腺癌の自然史はラテント癌と臨床癌とで異なり,PSA 検査普及前後の時代 ..

前立腺癌の罹患数は2012 年に全世界で年間約110 万人,男性癌の14.8%で第2位であった。年齢調整罹患率は10 万人あたり30.7(世界人口基準)で,やはり第2位であった。罹患率は先進国で高く発展途上国で低く,その差は約5倍ある,。死亡数は年間約31万人で6.6%を占め第5位,年齢調整死亡率は10 万人あたり7.8 で第5位であった,。

しかし、その一方で、前立腺癌の早期発見に有用とされている腫瘍マーカー「PSA」の血中濃度を低下させる作用があることもわかっています。その結果、前立腺癌が見落とされるケースも。プロペシアを服用中の人は正しく検査結果を評価できるよう、前立腺癌検診などの前に医師にその旨を伝えるようにしましょう。

男性型脱毛症治療薬で前立腺がん死リスク減 | Medical Tribune

プロペシアは前立腺癌の早期発見に有用とされている腫瘍マーカー「PSA」の数値を約50%低下させることがわかっています。そのため、プロペシアを服用していることを申告しないと前立腺癌の発見が遅れてしまう可能性があるとの注意喚起がなされています。

2009 年のERSPC の中間報告データを引用した欧州での前立腺がん検診の費用分析によると,非検診群100,000 人を25 年間追跡調査すると仮定した場合,2,378 人に前立腺癌が発見され,検診・治療を含めた総費用は約3,028 万ユーロと試算された。一方,検診群100,000 人からは4,956 人に前立腺癌が発見され,その総費用は約6,069万ユーロと試算された。そのうち,PSA検診自体の費用は総費用の約5%(304 万ユーロ)に止まり,過剰診断・過剰治療にかかるコストが総費用の約39%(2,367 万ユーロ)となった。


~6年間の海外臨床試験において、フィナステリド 5mg投与群(本剤の5~25倍用量) で4例の乳

患者ではなく健常者集団を対象とするがん検診は,①低侵襲であり,②RCT で死亡率低下効果が証明されており,かつ③費用対効果に優れていることが理想とされる。

先発品プロペシア(フィナステリド )8,500円(診察料込)。5箱で40,000円(同 ..

前立腺がん検診は,①の要件を満たしており,②についても近年相次いで質の高い研究結果が示されている。2009 年に「The New England Journal of Medicine」に報告されたERSPC の中間報告において,中央値9年間の経過観察後の検診群における前立腺癌死亡の相対リスク比は0.80(95%CI:0.65~0.98)となり,検診による有意な死亡率低下効果が示された。NNS は1,410 人,NND は48 人であった。さらに,2014 年に「The Lancet」に報告されたERSPC の13 年間経過観察後の解析結果でも,55~69 歳において検診群は対照群と比べて21%の死亡率低下効果を認め,NNS は781 人,NND は27 人であった。また,スウェーデン・イエテボリ研究では,中央値14 年間の経過観察後,検診群は対照群と比べて44%の死亡率低下効果を認め,NNS は293 人,NND は12 人であった。

・前立腺ガンの検査を受ける場合は、服用していることを医師に必ずお伝え ..

検診の利益と不利益をまとめた本邦の厚生労働省研究班(濱島班)のガイドラインにおける,過剰診断の不利益に関する記述は参考になる。しかし,利益や不利益の多くの部分において,最新の重要な研究成果に関する考察がなされていない。そのため現時点では,『前立腺がん検診ガイドライン2010 年増補版』に準拠した一般住民向けのPSA検診の最新情報・利益と不利益等を解説した啓発資料(『PSA 検診受診の手引き』(公益財団法人前立腺研究財団発行)等)を用いた情報提供を行うことが望ましいが,全般的に前立腺がん検診の不利益に関する要因は近年その多くが改善傾向にある。

8.2 本剤は、血清前立腺特異抗原(PSA)に影響を与えるので、前立腺癌等の検査に際しては、以下の点に注意すること。 ..

また前立腺がん検診を受診することにより臨床的に重要な癌を早期に発見することで,病状,価値観,合併症に対する受容,社会的な状況等に応じて,治療効果とQOL の低下のバランスから,最も自分自身に適した治療法を,多彩な治療選択肢から選べることも利益の1つと考えられる。

前立腺がん検診を受ける方は、内服中である事を健康診断受診先にお知らせ下さい。 ミノキシジル+フィナステリド+亜鉛配合の内服薬について

2014 年のERSPC の報告データを用いた最新の研究では,55~59 歳で検診間隔が2年のグループではICER が質調整生存年(quality-adjusted life-years;QALY)1年増加あたり7.3 万ドルであった。一般に,費用対効果に優れるか劣るかを判定するために用いられる1QALY 増加あたりのICER の閾値は,米国では5万〜10 万ドルと設定されている。7.3 万ドルという結果はこの閾値の上限値を下回っており,費用対効果に優れると判定される。これらのグループでは,生涯の前立腺癌死亡減少率は13%であり,検診発見癌の33%が過剰診断であると推計された。もっとも,63 歳を超えるグループでは,過剰診断によるQALY の減少により費用対効果が劣る計算になることも示された。

患者様とそのご家族の方にヤンセンファーマの前立腺がん治療薬「ザイティガ」を正しく理解・使用していただくための情報提供サイトです。

前立腺がん検診を受診する最大の利益は癌死亡率の低下である。この事実は信頼性の高いRCT で証明されており,ERSPC では検診群は対照群に比べ13 年間の経過観察で21%死亡率が低下したことが示された。また,オーストリアのチロル地方ではPSA 検査を用いた前立腺がん検診を導入後,20 年間の経過観察により死亡率の低下が示され,すでに地域社会における有用性も証明されている。また前立腺がん検診による転移性癌リスクの低下も同様で,前述したERSPC では転移性癌のリスクが0.60(95%CI:0.52~0.70)に低下し,またスウェーデンで行われた症例対照研究でも15 年間の経過観察で0.73(95%CI:0.38~1.42)に低下したことが報告されている (転移性癌,死亡率の低下についての詳細は を参照)。

フィナステリド(Finasteride) は、もともと前立腺肥大症の治療薬 ..

どのようながん検診にも,検診受診に伴う利益と不利益が存在する。前立腺がん検診は近年,RCT により死亡率の低下が明確に証明されている。しかし,受診希望者にその有効性を伝えるだけでなく利益,不利益についての情報を正確に伝えたうえで,前立腺がん検診の受診を判断してもらう必要がある。前立腺がん検診の利益,不利益については近年,大規模RCT の累積したデータより多くの検討がなされ,以前よりも明確になりつつある。ここでは,信頼できる大規模RCTからの報告を主に参考にしながら前立腺がん検診の利益,不利益について解説する。

〔前立腺癌リスク低減〕 オナニーは前立腺ガンのリスクを低下させること ..

余命を算定する方法のほかに,経時的な高齢者の健康状態を評価する手段としてInternational Society of Geriatric Oncology(SIOG)の「G8 geriatric screening tool」という,老年者に対するスクリーニング実施の判断をするための健康状態評価手法がある()。Kenis らは,「G8 geriatric screening tool」の評価手段を用いた検証で,担癌者の予後予測に有用であると報告している。Droz らは,上記の「G8 geriatric screening tool」を一次評価手法として高齢前立腺癌患者の健康状態の評価ののち,良好群(fit),脆弱群(vulnerable),虚弱群(frail)の3群に分類し,診療指針の運用手段として用いることを推奨している。良好群と脆弱群(医療介入によって良好群に改善可能な群)に関しては,個人単位での早期前立腺癌診断が推奨されている一方,虚弱群においては前立腺がん検診は推奨されていない。PSA検診の対象者に対する指針としては,暦年齢ではなく健康状態と本人の希望に応じて行うことが重要と論じている。本邦においても,様々な検診受診機会において,検診受診希望者が自身の健康に不安を抱える場合,簡易なG8 geriatric screening tool 等の健康状態評価手段を用いた検診受診推奨判定の導入を進めることは,将来の方向性として好ましい。

[PDF] 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠

前立腺がん検診の費用を押し上げる最大の要因は,過剰診断・過剰治療による余剰費用である。今後,前立腺がん検診の有効性のみならず経済効率性を改善するには,過剰診断を克服する技術革新が重要となると考えられる。

その効果と安全性で、多くの治療実績を積み重ねてきたAGA(男性型脱毛症)治療薬、フィナステリド(プロペシア)。 ..

Sammon らは,前立腺癌に罹患した患者の余命期間について,臨床医が算定した予測モデル論文と政府が広報している生命表の対比の検討を行い,過去に報告された予測モデルに優位性を見出せなかったと報告している。本研究結果からわかるように,現時点で正確な余命算定手段がない状況であることから,相応の比率で高齢者の検診受診機会が継続されている現状である。

○プロペシアの服用で血清 PSA 濃度が低下することが報告されています

がん検診の受診は本来個々の健康状態に応じた検診受診対応が重要であるが,現時点で本邦において個々の余命を勘案した検診システムを構築しているがん検診は皆無である。前立腺がん検診の受診を決定する場合,個々の受診者において,余命が10~15 年程度見込まれるか否かが重要であるといわれている。しかし,欧米においても80 歳を超える高齢者の35.3%がPSA 検診を受診している現況より(55~69 歳の検診受診率:32.3%),余命を組み入れた前立腺がん検診システムは実践されていない。

[PDF] 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠

本邦における前立腺がん検診においても,Sawadaらは55~59 歳,60~64 歳のPSA 値が0.6~1.0ng/mL(低値群)と1.1ng/mL 以上(高値群)の群において,10 年後の前立腺癌発症のリスクは高値群が有意に高いことを報告している。