マイコプラズマ肺炎 クラリスロマイシン 15mg/kg/日, 分2 (10日間).



確定診断には、患者の咽頭拭い液、喀痰よりマイコプラズマを分離することであるが、適切な培地と経験があれば難しいことではない。しかしながら早くても1 週間程度かかるため、通常の診断としては有用ではない。近年迅速診断としてPCR 法が開発されており、臨床的に有用性が高いが、実施可能な施設は限られている。
臨床の現場では血清診断でなされることが多い。補体結合反応(CF)、間接赤血球凝集反応(IHA)にて、ペア血清で4倍以上の上昇を確認する。単一血清で診断するには、それぞれ64倍以上、320倍以上の抗体価が必要である。近年、粒子凝集法(PA )、蛍光抗体法(IF)あるいは酵素抗体法(ELISA)によるIgM、IgG抗体の検出も可能となっている。


ただし、マクロライド耐性マイコプラズマ感染症であっても,2~3日以内に ..


抗菌薬による化学療法が基本であるが、ペニシリン系やセフェム系などのβ‐ ラクタム剤は効果がなく、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤が用いられる。一般的には、マクロライド系のエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどを第一選択とするが、学童期以降ではテトラサイクリン系のミノサイクリンも使用される。特異的な予防方法はなく、流行期には手洗い、うがいなどの一般的な予防方法の励行と、患者との濃厚な接触を避けることである。

現在, わが国で公表されている診療ガイドライン等で, M. pneumoniae肺炎の項を含むものは, JAID/JSC感染症ガイド2023(日本感染症学会・日本化学療法学会)10), 成人肺炎診療ガイドライン2017(日本呼吸器学会, 改訂中)11), 小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022(日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会)12), M. pneumoniae肺炎に対する治療指針(日本マイコプラズマ学会)13)がある。海外では, American Thoracic Society(ATS)およびInfectious Diseases Society of America(IDSA)14)やAmerican Academy of Pediatrics(AAP)15)より, 市中肺炎やM. pneumoniae肺炎に対する抗菌薬療法が推奨されている。

ロライド耐性マイコプラズマが増えており、マクロライド系抗菌薬で 2 ..

小児における本年のマイコプラズマ感染症の流行に対し,多くの方々に関心を持っていただきたいと考え,共同で研究している小児科の先生方とも相談し,「附:マイコプラズマ」として本邦における MLs 耐性マイコプラズマの現状について,今までに調べてきた研究結果を公開することにいたしました。

マイコプラズマは一般の細菌(大腸菌やブドウ球菌など)とは異なり,細菌の特徴である細胞壁を持たず,細胞質膜のみで形態を保っている特殊な菌です。

10-15mg/kg/ 日(最大 400mg/ 日) 10 日間

【文 献】
1)Cherry JD. Mycoplasma and Ureaplasma infection. In Textbook of pediatric infectious diseases, 4th ed. WB Saunders,1998. pp2259‐2286
2)Anonymous. マイコプラズマ肺炎. 病原微生物検出情報月報19巻2号、1998.

わが国の診療ガイドライン等では, M. pneumoniae肺炎外来治療の第一選択薬はマクロライド系抗菌薬が推奨され, 48時間以上臨床的に改善がみられない場合は, テトラサイクリン系抗菌薬(小児では8歳以上)や, ニューキノロン系抗菌薬(小児ではトスフロキサシン)に変更することがおおむね共通して記載されている。一方で, ATSとIDSAによるガイドライン14)には, マクロライド耐性M. pneumoniaeに関する記述や耐性菌感染症を考慮した治療についての言及はみられない。AAPによるRed Book 2021-202415)でも, マクロライド耐性M. pneumoniae株についての記載はあるものの, ニューキノロン系抗菌薬を使用することは推奨されていない。

小児におけるマクロライド系薬耐性Mycoplasma pneumoniaeの大流行

マイコプラズマ感染は,菌がヒトの上気道へ侵入することから始まります。侵入した菌は,菌体のとがった先端部の細胞吸着器官 (PIタンパク群) で気道表面の線毛上皮細胞の線毛付け根部分に接着して増殖し,細胞に直接的な損傷を与えることにより感染が成立します(直接障害)。この PI タンパクをコードする遺伝子配列には2タイプあることが知られ,I 型と II 型が交互に流行を繰り返すといわれています

さらに小児呼吸器感染症診療ガイドライン202212)では, Qプローブ法でマクロライド耐性遺伝子が検出されている場合は, トスフロキサシンやテトラサイクリン系抗菌薬を選択肢に考慮すべきとの記載がある。当院で施行したQプローブ法(Smart Gene)に関する検討では, 細胞培養法(国立感染症研究所細菌第二部で実施)に対するSmart Geneの感度, 特異度は, 各々98.0%, 100%であった。さらに, 培養で得られた菌株を用いた23S rRNA遺伝子塩基配列分析によるマクロライド耐性遺伝子同定とSmart Geneによる耐性遺伝子変異検出とを比較すると, 感度, 特異度は, 各々100%, 97.4%であった。新型コロナウイルス病原体検出の過程で, Qプローブ法検査機器が以前より普及しており, 今後耐性遺伝子の有無を確認したうえで, より適切な抗菌薬療法に寄与することが期待される。


2018 年 10 月最終更新 作成:黒田浩一 監修:細川直登

マイコプラズマ肺炎は乾いた咳が出るのが特徴ですが、子どもの場合は痰の絡む咳がでることもあります。

マイコプラズマ肺炎は「マイコプラズマ・ニューモニエ」という ..

5歳未満の幼児では、マイコプラズマに感染しても、軽くすむか症状が出ないことがよくあります。

一般的にマクロライド系の抗菌薬から使用されることが多いです。[1]

マイコプラズマは、臨床症状が多彩であり、また軽症のことも多いため、診断に至らないことが多い[39]。

クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス) – 呼吸器治療薬

マイコプラズマ肺炎は、発症のピークが8〜9歳といわれ、大人よりも子どもに多くみられる感染症です。

鼻の奥が痛いので家にあったクラリスロマイシンも併用しようと思うのですが大丈夫でしょうか? ..

過去9年間にわたって real-time PCR 法でマイコプラズマが陽性であった症例と,それらの検体から実際にマイコプラズマが分離された割合を に示します。24サイクルまでに陽性となった症例(Ct≦24)での培養陽性率は73.9%, 25-28サイクル(Ct25-28)の間での培養陽性率は70.4%,それ以上のサイクル数での陽性率は40.9%と劣り,当初の検体中に含まれるマイコプラズマの推定菌量がそのまま示される結果となっています。

通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg(力価)を2回に分けて経口投与する。

には,私どもの PCR 法でマイコプラズマ肺炎と診断された具体例を示します。症例は4歳の小児ですが,PCR の機器に接続されたパーソナルコンピューター画面で24サイクルから陽性反応が認められ,後日,菌の分離と抗体価の上昇が確認されています。

マイコプラズマ感染症の診断には次の4つの方法があります。

には,MLs に耐性化したマイコプラズマにみられる遺伝子変異を示します。MLs の作用標的はリボソームですが,薬剤は50S サブユニットを構成する 23 S rRNA のドメインVに結合し,ペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害します。その結果,タンパク合成が阻害され,菌はやがて死滅していきます。

通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日400mg(力

あるコホート研究によれば、マイコプラズマ感染患者の方が、そうでない患者に比較して急性冠症候群を発症するリスクが1.3倍多いとされた[30]。

小児マイコプラズマ感染症の治療法:3種類の抗生剤と注意点

しかし,MLs に耐性化したマイコプラズマでは,2063番目のアデニン(A) がグアニン(G)へ変異している株が多く認められ,次いでその隣の2064番目の A が G に変異している株も認められています。その他の変異株も多くはないのですが認められ始めています。これらの変異が生じると MLs がドメイン V に結合できなくなるため,酵素活性が阻害されずに菌は耐性化するのです。

診療ガイドライン等に基づくマイコプラズマ肺炎治療の現況

マイコプラズマ感染症に合併する心機能障害にはリズム障害、心不全、胸痛、心電図上の伝導障害などがある[29]。

(注)マイコプラズマ肺炎は、マクロライド系などの抗菌薬で治療されます。 <このQ&Aは、国立感染症研究所の先生方の御協力により作成しました>

しかしマイコプラズマの多彩な臨床症状や、症例による重症度の大幅な違いなどにより、鑑別が難しい場合が多い[42]。

投与期間

また,この方法では陽性反応を示すサイクル数から検体中に含まれる菌数も推定できることも示されています。つまり,マイコプラズマに関しては,私どもが公表しているプライマーとプローブを使用し,規定のサイクル数までの間に陽性反応がみられれば,マイコプラズマ感染症と診断してもほぼ差し支えないことになります。

一般感染症:通常、成人は1回1錠〔主成分として200mg(力価)〕を1日2回服用します。 非結核性抗酸菌症:通常、成人は1回2錠〔主成分として400mg(力価)〕を1日2回服用します。

MLs 耐性マイコプラズマは一部緑色で示した2063番目の A がチミン(T) に変異した株,あるいは紫色で示した2617番目のシトシン(C) が A に変異した菌で軽度耐性を示す株がありますが,その他の大部分の耐性菌はエリスロマイシン(EM), クラリスロマイシン(CAM) およびアジスロマイシ (AZM) に 32 μg/mL 以上の高度耐性を示しています。ここには示しませんでしたが,これら耐性菌はジョサマイシン(JM)やテリスロマイシン(TEL) にも 32μg/mL 以上の高度耐性を示します。

用量、投与期間

一手目にて72時間経過を観察し,改善がみられない場合,二手目への変更を考慮する。奏効薬剤については総投与期間を7~10日間として,治療終了とする。

そのため、投与後48~72時間後に効果を判定し、有効であれば、感受性株と判断する。 感受性株と判断した場合は、クラリスロマイシン(商品名クラリス、クラリシッド他)であれば治療開始時から計10日間、エリスロマイシン(エリスロシン他)は計14日間、アジスロマイシン水和物(ジスロマック他)は計3日間投与を継続する。 2018年8月10日

年少児でチアノーゼを伴っている場合,あるいは年長児・成人で呼吸困難や重症感が強い場合は,マイコプラズマ感染症でも急性呼吸窮迫症候群など通常の肺炎とは別の病態が起きている可能性があり,あるいは他の病原体による混合感染を鑑別する必要もあるので,早めに専門医に相談する。

肺炎に対するマクロライド系薬の投与期間は、エ

その感度を小児 CAP の主たる原因細菌である肺炎球菌とマイコプラズマおよびインフルエンザ菌について に示しました。3菌種とも PCR と培養との間には,感度100%,特異度は95.4%以上であることが示され,マイコプラズマの抗体価と PCR との間においても感度と特異度はそれぞれ90.2%と97.9%と優れていることが示されています

[PDF] 小児に対する内服抗菌薬適正使用のための手引き

3) 日本マイコプラズマ学会:肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針, 2014.