睡眠障害「ナルコレプシー」とオレキシンの深い関係が明らかになったため、オレキシンの覚醒・睡眠制御にお


覚醒システムに関わるオレキシンは昼間にたくさん分泌され、夜になると分泌されなくなっていきます。夜間のオレキシン分泌を抑え、快眠に導くためには、体内時計を整えることが大切です。最も有効な方法は、毎朝同じ時刻に起き、起きたら太陽の光を浴びることです。ただし、夕方以降に強い光を浴びると体内時計が後ろにずれていきます。夜になったら部屋の照明は暗めにして、パソコンやスマホもなるべく見ないほうがいいでしょう。


として,メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬が登場した。 2 睡眠薬の作用機序(作用する受容体)

にもホルモンの働きが大きく関わっている。脳の中心に位置するグリーンピースほどの大きさの松果体から分泌される「メラトニン」だ。脈拍や体温、などを低下させ、体を眠りに向かわせる作用がある。東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科の辻野元祥部長が言う。

「メラトニンは夜間にのみ分泌され、昼間は分泌されません。その分泌の日内リズムは、朝起きて太陽を浴びることで目から入る光刺激によってリセットされ、起床から14~15時間で再び分泌が始まります。そして、深い眠りのノンレム睡眠をもたらす働きがあるとされています」

通常、このようにメラトニンの日内リズムによって、朝に目覚め、夜に眠るというヒトの体内時計がコントロールされている。ところが夜にブルーライトが目に入ると、メラトニンの分泌が抑制されてしまう。寝る前にパソコンやスマホの画面を見ていると、不眠症など睡眠の質の低下につながるのはそのためだ。

他にもメラトニンには抗酸化作用(アンチエイジング効果)や、傷んだ組織の修復に関係する成長ホルモンの分泌を促す作用があるという。

このページでは、ラメルテオンとスボレキサントの相違点、どちらの薬が良いか迷っているときの使い分けの目安について説明します。

①2014年11月に,オレキシン受容体拮抗薬のスボレキサント(ベルソムラ )が発売された。 ..

それでは不眠症についてお話する前に、初めに睡眠のメカニズムから説明してゆきます。人は疲れた脳と身体を休めるために眠ると思われます。すなわち目覚めて活動していると疲れて自然に眠くなってきます。疲れますと脳の活動が低下して覚醒度が下がり眠くなってきます。逆に朝になりますと覚醒度が上がって自然に目が覚めます。このように睡眠と覚醒には覚醒度が重要なのですが、覚醒度を調節するための中枢は脳幹網様体といわれる部分にあるとされ、その中枢を刺激する神経伝達物質であるオレキシンという物質が1998年に当時テキサス大学で研究されていた櫻木先生によって発見されたのです。オレキシンは視床下部から分泌され、覚醒中枢に特異的に働き刺激するようです。オレキシンはもともと動物実験から摂食活動に関係があるのではと考えられていましたが、ナルコレプシー(日中、場所や状況を選ばずに強い眠気が発作的に起こる脳の病気)という人の病気に関係していることが分かったそうです。そしてこのオレキシンの分泌を盛んにする刺激として、体内時計、情動、栄養状態があるそうです。

人間の体内時計は1日の24時間よりは少し長い25時間が1日であり、朝が来ると大体決まった時間に目が覚め、起きてから大体17時間くらいすると生理的に眠くなってくることが知られています。この仕組みは、朝になって光を浴びると脳内の体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。この時、体内時計からの信号で、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、オレキシンの分泌が高まります。そしてメラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌され、メラトニンの作用により身体の活動は低下して血圧・脈拍・体温などが下がり休息に適した状態となって眠気を感じるようになるわけです。また気持ちが高ぶって興奮すると眠れませんが、情動によりオレキシンの分泌が盛んになっているのだそうです。

現在は睡眠導入剤が必要な場合は、まずオレキシン受容体拮抗薬と ..

このようにオレキシンの分泌が盛んになって覚醒中枢が刺激され、睡眠中枢の働きを上回りますと覚醒し、逆に覚醒中枢の刺激が減ると睡眠中枢の方が上回って睡眠が起こると言うわけです。このオレキシンの発見およびそれより前に分かっていたメラトニンの発見は、睡眠薬にも変化をもたらせました。

それでは睡眠薬の開発の歴史についてお話いたします。1950年代のバルビツール酸系睡眠薬や非バルビツール酸系睡眠薬(麻酔薬や抗てんかん薬としても知られる)に始まり、1960年代にはベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発され、作用時間や強さの異なる非常に多くの薬が発売されました。ベンゾジアゼピン系の薬は一般的な睡眠薬として今でも数多く使われておりますが、その作用機序はGABAA受容体における神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)の作用を強めることであり、これにより、鎮静、催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩など様々な作用を示します。このため睡眠薬としてだけでは無く、安定剤などとしても幅広く使われます。この系統の薬は睡眠に関係のあるところだけを直接刺激するわけではないので、副作用として脱力やふらつき、一過性の健忘などが出ることがあり、習慣性や抵抗性、さらに内服を止めた時の反跳性不眠(かえって眠れなくなる)が問題となります。それらを改善すべく1989年にはベンゾジアゼピン受容体のうち睡眠作用に関わる部分だけをより選択的に刺激する非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Zドラッグと呼ばれる)も登場しております。そして2010年には睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの受容体を刺激するメラトニン受容体作動薬が発売され、今回さらに不眠症で過剰に興奮した覚醒中枢に直接作用するオレキシン受容体拮抗薬が発売され、より自然に近い睡眠を誘発できるのではと期待されております。

血糖コントロールが不良な場合には睡眠の質が低下している。メラトニン作動薬,オレキシン受

BZ系薬剤は、幅広い分野で長い間使い続けられてきましたが、現在ではBZ系に代わる薬が発売されており、副作用が問題となるBZ系薬剤を使わなくても治療ができる時代になっています。

現在、下記の薬剤が使用されており、以下の特徴を持ちます。

(1)メラトニン受容体アゴニスト
一般名:ラメルテオン(商品名:ロゼレム)

(2)オレキシン受容体拮抗薬
一般名:スボレキサント(商品名:ベルソムラ)
一般名:レンボレキサント(商品名:デエビゴ)

「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬」と「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」です。これまでの説明は「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬でした。改良を重ね副作用の低減を積み重ねましたが、2010年に「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」が販売されました。2021年現在では4つの種類があります。メラトニン受容体作動薬のロゼレムとメラトラベル、オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラとデエビゴになります。メラトニンは体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは脳の中にある松果体という部位から夜の20時頃から分泌されはじめ、深夜をピークに、朝になり太陽の光をあびると分泌されなくなる物質です。メラトニン受容体作動薬はメラトニンの分泌を促すお薬になります。従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質のひとつです。オレキシン受容体拮抗薬は、その「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促す、新しいタイプのお薬です。こちらのお薬も従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、


メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬は呼吸抑制作用のリスクが相対

脳の松果体ホルモンの「メラトニン」の受容体に結合して、催眠作用や睡眠リズムを調節するお薬です。受容体はM1受容体とM2受容体の2つが存在し以下の作用を行っています。

メラトニンは、体内時計の調節に関係し、睡眠と覚醒のリズムを調節する働きがある ..


●2010年発売(武田薬品工業)
●一般名:ラメルテオン
●作用機序
脳内で分泌される体内時計を司るホルモン「メラトニン」とともに、メラトニン受容体に作用することで、自然な眠気をもたらしたり、眠りを持続させる。
体内時計や睡眠リズムを整える効果がある。
<メラトニンについて>
*メラトニンは、覚醒と睡眠のリズムを整える役割があり、朝、光を浴びると分泌が抑制され身体が覚醒し、夜、暗くなると分泌が促進され眠気をもたらすように働く。
*メラトニンの分泌には光が関与しており、日中、光を浴びることで、夜の分泌が促進される。このため、高齢者の日光浴は睡眠の質を高める上で大切。

●筋弛緩作用がなく、転倒や誤嚥のリスクがない。依存、せん妄、脱抑制も起こりにくいため、高齢者に使いやすい。
●副作用:眠気、頭痛、めまい、倦怠感、発疹、便秘、悪心など
●不眠症治療の初期段階で使われるが、効果を実感しにくかったり、効果発現までに時間がかかることがある(急を要する場合には不向き)
睡眠リズムを整える薬剤なので、原則「毎日服用した方が良い」印象です。
●処方日数については制限なし

一方で、大脳辺縁系とオレキシンニューロンとの関連は、不安がオレキシンニューロンを ..


(2)オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)について

現在発売されている薬は、ベルソムラとデエビゴの2種類です。

不眠症の治療薬について · オレキシン受容体拮抗薬 · メラトニン受容体作動薬 · GABA受容体作動薬.

オレキシンとは、覚醒に関して中心的な役割を担う神経伝達物質です。図は熟睡習慣に関係した神経伝達物質を、オレキシンを中心に示したもので、これを見ながら理解してください。矢印は活性化する働き、点線は抑制に働くことを表しています。

メラトニン受容体作動薬はラメルテオン(ロゼレム)です。 ④ オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質のひとつです。オレキシン受容体拮抗薬は、その「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促す、新しいタイプのお薬です。こちらのお薬も従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。オレキシン受容体拮抗薬は、ベルソムラ(一般名:スボレキサント):2014年発売とデエビゴ(一般名:レンボレキサント):2020年発売の2種類が存在します。どちらのお薬も

起きている状態を維持することに関わるオレキシンという神経伝達物質の活動を低下させることで、入眠の促進と睡眠維持をもたらす薬です。1)

人は、メラトニン※1が関与する生体リズムとオレキシン※2による覚醒システムのバランスにより眠くなります。

良質な睡眠のために押さえておきたいポイントとは? | アロパノール

オレキシン1受容体:レム睡眠の安定に関与 オレキシン2受容体の補助
オレキシン2受容体:レム睡眠の安定と覚醒の安定に関与、覚醒とノンレム睡眠の間の移行を制御する

デエビゴは、ベルソムラと比較して、オレキシン受容体阻害作用が強いため、催眠作用が強く表れると考えられる。
またデエビゴはオレキシン受容体と結合する速度が速い為、ねつきが悪い不眠状態に効果があり、受容体から離れる速度も速い為に、持越し効果(次の日まで眠気が残る)が少ない印象です。

特に、ナルコレプシー研究におけるオレキシンの発見は、近年の睡眠研究における最大のトピ ..

メラトニンは脳の松果体から夜間に分泌されるホルモンである.動物において,概日リズム,睡眠,免疫,生殖機能など広汎な生体機能に影響を与え,地球の自転に基づく環境の明暗変化に対し,体内環境や行動を積極的に変化・同期させる体内時計の機能に関与する1).メラトニン受容体は,MT1,MT2,MT3の3つに分類されているが,MT3受容体はメラトニン固有の受容体ではないことが明らかとなっている.

このオレキシンの働きをブロックし、睡眠状態へスイッチを切り替えていく

途中で目が覚めるに人には、オレキシン受容体拮抗薬のほうが有利かもしれません。

睡眠に関わるホルモン「メラトニン」と同様の働きをする「メラトニン受容体作動薬」というお薬があります。 ラメルテオン(ロゼレム®)

オレキシンが働くと覚醒せよ! という指令が出ます。例えば、クマが目の前に現れた時。その驚愕(きょうがく)や恐怖=「情動」=が、オレキシンを活性化し、逃げるか、闘うか、と覚醒度が上がります。他に、空腹もオレキシンを活性化します=「グレリン」=。「寝ている場合じゃないよ。餌を探せ!」と。つまり人類生存には、危険や飢餓を回避すべく、覚醒レベルを上げるため、オレキシンは働いてきたのです。

体内時計を調節するホルモン、メラトニン · 体内時計の乱れが起こすこと · 体内 ..

ところが令和の世は、猛獣よりも怖いものがあふれる「不安な時代」。物価高や円安など経済的な不安。新型コロナウイルスや認知症など健康の心配。災害や戦争が絶えない世界。昨今のデジタル社会が、日本人のオレキシンを慢性的に刺激して、睡眠負債を引き起こしているのです。

[PDF] ゼブラフィッシュにおける睡眠障害:点灯前に産卵する集団の解析

先述したように従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、強引に入眠させる入眠障害に用いるよりも

[PDF] 睡眠障害ガイドライン わが国における睡眠問題の現状

オレキシンに対抗して、「メラトニン」は、覚醒度を低下させます。メラトニンは、光によって調節され、覚醒と睡眠を切り替えます。暗い夜にはメラトニンが分泌され、オレキシンは抑制され睡眠モードになります。ぐっすり眠るためには、生理的な体内時計のリズムに合わせた明暗が大切です。朝は日光を浴び、夜はスマホの光を避けることが、熟睡習慣には重要です。