メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンをへて作られます。
すなおクリニックでも、上記の制度を用いてメラトニンを処方することを考えています。その中で、どの製品が良いのかということを調べていくうちに、昨年アメリカの臨床睡眠医学会の学術誌(Journal of Clinical Sleep Medicine)に掲載されている論文に出会いました。この論文の要旨の抄録の結論の部分を以下に示します。
パワートゥスリープPM、メラトニン6mg、液体ソフトジェル60粒
Melatonin Natural Health Products and Supplements: Presence of Serotonin and Significant Variability of Melatonin Content
メラトニン自然健康プロダクトとサプリメント:セロトニンの混入とメラトニン含有量の非常に大きな変動
Lauren A.E. Erland, MSc, Praveen K. Saxena, PhD
メラトニン分泌に対する運動の影響のエビデンスを具体的に挙げると、例えば定期的に運動を行っている12名の健康な男性(20.7±0.62歳)に対し、75%VO2maxで30分のトレッドミル運動を、午前9時、午前4時に行う条件、および運動を行わない条件の計3条件を設定。午前中に運動すると、午後に運動する場合と比較して、メラトニン分泌が20%増加していたという。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、小児にはメラトニンとして1日1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増
一方、個人で輸入することは可能です。Googleサーチで、メラトニンを探せば、多くのサイトが現れます。冒頭の写真も、私が個人としてというサイトから購入したものです。
また、10名のエリート女性ネットボールアスリート(23±6歳)を対象とする7日間にわたる研究では、トレーニング日はトレーニングの直前(午後7時15分)のメラトニンレベルは6.2pg/mL、トレーニング後(午後10時)は17.6pg/mLであるのに対して、休息日は同順に14.8pg/mL、24.3pg/mLであり、トレーニング期間中はメラトニン分泌が低下していた。
メラトニンの in vitroにおけるヒト血清蛋白結合率は、メラトニン ..
ヒトの運動誘発性酸化ストレスに対するメラトニン摂取の効果を検討した研究が複数報告されている。それらはメラトニン摂取のタイミングが異なる。エクササイズの前に摂取した研究が7件、就寝前の摂取が4件あり、その用量、運動の種類・強度・期間・実施時間・トレーニングレベルも異なる。
いくつかを具体的に挙げると、例えばアマチュアアスリート20名を対象にメラトニン(3mgを3日間で5錠)またはプラセボを摂取させ、高度640mから3,393mへの50kmの登山による尿8-OHdGを比較したところ、メラトニン群で酸化ストレスの上昇抑制と筋肉のダメージ抑制が観察されたという。
健康成人にメラトニン 6mg 注)の経口投与の 1 時間前、1 時間後及び 3 時間後にカフェイン 200mg を経口投与し
前述しましたようにメラトニンは、日本では販売されていません。しかし、日本で認可されていない医薬品でも、医師が厚生局を通じて厚生労働省から薬監証明を取得して合法的に輸入し、日本国内で処方薬として治療に使うことが可能は制度があります(文献4)。メラトニンはアメリカではサプリメントとして使われていますが、日本では神経ホルモン剤として医薬品の扱いになります。
また、16名の若い男性サッカー選手に対し、その半数に運動30分前に6mgのメラトニンを摂取させ、135bpmの急性運動後、対照群に比較しマロンジアルデヒドに群間差が認められた。非活動的な20名の女性を、トレーニングのみを行う群とトレーニングに加えメラトニン3mg/日を摂取する群に分け、最大心拍数に対し60~80%の強度で15~45分のトレーニングを8週間続けた研究では、運動後のマロンジアルデヒドの上昇がメラトニン摂取を加えた群で抑制されていた。
メラトニン Pharmaceutical Secondary Standard
一方で、メラトニンには上記の2番めの効果として、体内時計をずらす作用もあります。例えば、夕方4時5時ころに少量(0.5mgから1mg)を服用すると、服用直後に眠気が出るのではなく、通常の眠くなる時間が早くなるという効果を用います。これによって、寝付きの悪い人の寝付きが良くなるということもあります。(寝付きの悪さは、必ずしも睡眠時間帯だけの問題ではありませんので、必ず効果があるわけでもありません。)このような利用法は、体質的には夜型人間だが、早く床に入る習慣がある人などには、より効果が高いと思います。(関連項目: 朝型夜型質問紙とは?)また、この効果をつかって、時差ボケ(ジェットラグ症候群)を軽減させることも行われています。
メラトニンってサプリを飲んでるわけです。その詳細については ..
レビューの結論としては、「報告されている研究は全体的に運動プロトコルのバリエーションが大きく、またサンプルサイズが小さく、評価している酸化ストレスマーカーが異なる」といった解釈の限界点を挙げて、結果に一貫性が欠くことを述べている。そのうえで、「今後の研究では、さまざまなカテゴリーの競技にわたるより多くのアスリートを対象に、メラトニン摂取の安全な投与量・方法を検討する必要がある」とまとめられている。
医療用医薬品 : メラトベル (メラトベル顆粒小児用0.2%)
以上、主に運動との関連について記されている箇所を部分的に紹介したが、本論文ではメラトニンの生理や、メラトニンと関連の深い神経伝達物質であるセロトニンについても詳述されていて、それらの理解に役立つ。
帝王切開は午後1時から2時の間に行い、患者の同意のもとに児娩出前2時間 (13例)、
(今回調べた31製品の)メラトニン製品のうち71%の製品が、ラベルに示されている含有量の10%以内の値を満たしていなかった。更に26%の製品には、セロトニンが含有されていた。(メラトニンはセロトニンから体内で作られ、セロトニンを過剰に服用すると健康被害が出る可能性がある。)臨床医師も患者も、睡眠障害に用いるサプリメントに対する品質について、信頼をおけるということが大切なことである。これを達成するためには、製品を製造する会社は、メラトニンサプリメントの製造において、ラベルに示した含有量の正確性だけでなく、セロトニンのような物質が混入しないということもにより製品管理を厳重に行うことが要求される。
メラトニン受容体作動薬は、
メラトニンの合成・分泌は光刺激のない暗闇で増加し、それにより概日リズムが生じる。メラトニンレベルは午後9~10時に増加し、午前3~4時に最大値に到達。その後は低下する。
メラトベルの副作用としては、
論文を読むと、メラトニンの含有量は、ラベルに示された数字より、83%も低いもの(5分の1以下)から、478%(5倍近い)も多いものまで様々であったと書かれています。残念ながら、この論文には会社名は書かれておらず、どこの製品が良いものなのかはわかりません。
メラトベル承認時での副作用頻度は、
メラトニンは神経ホルモンの一種で、脳の松果体(しょうかたい)でアミノ酸のトリプトファンからつくられます。メラトニンは睡眠・覚醒のリズムを整え、体内時計を正常に保つなど、体の機能を調節する要素のひとつです。
タバコをすうとメラトニンの効果が弱まることを意味します。
●基本情報
メラトニンは神経ホルモンの一種で、体内では必須アミノ酸[※1]の一種であるトリプトファンから生成されます。メラトニンの血中濃度は、昼に低く、夜に高くなります。このことからメラトニンが覚醒のリズムや、さまざまな身体機能を調節する働きをしていることがわかります。
メラトニンの血中濃度は1日のサイクルで変化しており、これを利用して時差ぼけの予防や睡眠障害の改善に効果的だといわれています。
また、メラトニンには抗酸化物質としての役割もあるため、アンチエイジングに効果があるともいわれています。
メラトニンは、といわれており、こちらを刺激することによって
高強度の急性運動は酸化ストレスを増大させ、筋肉の炎症と組織のダメージを引き起こす。また、持久系アスリートは高いトレーニング負荷のために、睡眠の質が低下することが多い。そのような激しいトレーニングもまた、メラトニン分泌レベルを低下させることが報告されている。
メラトベルの副作用としては、
●メラトニンの歴史
アメリカのイェール大学病院の医師アーロン・ラーナーは肌の色を濃くするホルモンを発見しました。その後、反対に肌を白くするホルモンを研究している中で、牛の松果体でメラトニンがつくられていることを知り、それが人間にも存在することを証明しました。
それぞれの副作用について、詳しくみていきましょう。
●メラトニンの過剰症と欠乏症
睡眠に関わるホルモンのため、メラトニンが過剰にありすぎても不足しても生活リズムが崩れる可能性があります。
また、卵巣機能の異常や排卵抑制、子宮収縮抑制などのホルモンに作用する可能性があり、妊娠中や妊娠を望む方が高濃度のメラトニンを摂取すると発達障害のリスクが増えてしまう恐れがあります。
メラトベルの承認時の副作用報告では、
適切な睡眠と回復は、アスリートのパフォーマンス向上に不可欠。アスリートの多くが睡眠サプリメントを使用していることが報告されている。メラトニンもその一つだが、メラトニンには睡眠改善に加え、抗酸化作用により筋肉を保護するように働く可能性がある。
同じようにメラトニン受容体に刺激するように働きます。
●メラトニンの生成
通常、メラトニンは松果体にてトリプトファンからセロトニンを経て体内合成されます。このため、まずはトリプトファンを多く含む食材から摂取する必要があります。
メラトニンが生成される量は光量にも関係するため、普段の生活から朝に太陽の光を浴び、夜間は就寝前や就寝時には周囲をできるだけ暗く保ち、一日のリズムをつくる必要があります。日光を浴びるのが難しい場合は、照明などの人工的な光を上手に工夫することで、メラトニンの生成をスムーズにすることが可能です。
となっています。メラトベルの中では最も多い副作用になります。
●メラトニンを摂取する際の注意点
まれにメラトニンを口径摂取した際にアレルギー性皮膚反応が起こったという報告があります。
多量に摂取をすると、疲労感や睡眠・覚醒のリズムが崩れる可能性があります。
摂取する時間帯により、日中に眠気を引き起こす場合があるので、服用後に車の運転などを控えている場合は注意が必要です。