末梢神経障害とは脳と脊椎以外の神経の感覚に障害が生じる副作用で、重症度の高い末梢神経障害 ..
Dimopoulos MA らはVADとliposomal doxorubicin(VAD doxil群)の比較試験を行っている(Ann Oncol 14:1039-44, 2003)。127例のVAD療法と、132例のliposomal doxorubicin(VAD doxil群)を用いた群との比較では、127例VAD群のみの結果について記載する。年齢中央値66(37-88)歳、男性67例、女性59例、治療に対する反応は完全寛解16例(12.6%), 部分寛解62例(48.8%), 反応なしが、49例(38.6%)であり、grade 2以上の好中球減少20%, grade 2以上の血小板減少10%, greade 2以上の吐き気、嘔吐4%, 脱毛55%, grade 2以上の粘膜障害7%, grade 2以上のerythrodysesthesia 2%, grade 2以上の神経障害13%であった。VAD doxil群でもほぼ同じであった。VADでのTTPは23.93ヶ月間であった。(95%CI16.92~30.94).
6.
⇒便を軟らかくしたり、腸を動かすような薬を使って排便をうながします。 末梢神経障害.
Seregen CMらは、未治療骨髄腫139例に投与して、134例が評価可能症例となり、62%に部分寛解、5%に完全寛解を得ている。主な有害事象は、9例(2%)に吐き気、嘔吐、10例(2%)に粘膜炎、肝臓障害8例(2%)、腎臓機能障害7例(1%)、心臓機能障害2例である。24例(18%)に軽度の神経障害、発熱または感染症が37例(27%)に認められた。投与にあたっては、全例に抗生物質の予防的投与、抗真菌剤の投与を行い、感染症予防とし、制吐剤の投与は全例に行っている。139例に対して、合計416コースのVAD療法を行い、うち117例は、3コースの13例には4コース行った。なおこの論文では、この治療法が、中心静脈留置を必要としており、外来治療を困難にしていること、留置したカテーテルに伴う敗血症、血栓症が24%にもあったことを不利益としている(Bri J Haematol.
71:326-30, 1995)。治療法としては、vincristine 1.6mg(total dose)として持続点滴、またdoxorubicin 36mg/m2を4日間持続点滴でdexamethazoneは経口で40mg/dayで4日間投与した。まず併用としてallopurinol 300mg/dayを第1コースの2週間投与した。また感染症の予防として、cotrimoxazole 480mg/回、を一日2回投与から960mg/回まで増量しながら行っている。Cimetidineを400mg/dayステロイド剤によるdydpepsiaを予防するために投与した。1984年から1992年にかけて、上記の患者数が治療を受け、奏功率は以下の通りであった。完全寛解:未治療例20/75(27%), 既治療例2/67(3%), 部分寛解では未治療例、43/75(57%), 既治療例では39/67(58%), 死亡例はそれぞれ未治療例4/75(5%), 既治療例7/67(10%)であり、未治療例の方において好成績であった。生存期間については、未治療例では75%生存が14ヶ月間、診断からの生存中央値は38ヶ月間である。既治療例でも39ヶ月間である。有害事象については、脱毛119/142(84%),抗生物質の投与が必要な感染症が76/142(54%), dyspepsia 52/142(37%), 便秘42/142(30%), 知覚異常40/142(28%), 浮腫38/142(27%), 点滴ラインに関するトラブル34/142(24%), 嘔気嘔吐30/142(21%), 中枢神経系19/142(19%), Candida感染 18/142(13%), 心不全 7/142(5%)であった。原因菌の同定された感染症は22/142(14%)で15例はグラム陽性、7例はグラム陰性菌であった。2例は敗血症で死亡した。
4.
[PDF] 抗がん剤による末梢神経障害および悪心・嘔吐に関 する研究
18:475-480, 1995)。1990年から1992年までに47例の第1選択治療に不応であった骨髄腫患者、VAD単独群24例、interferon併用群23例の比較である。差は認められず、有害事象については24例のVAD単独」において、白血球減少11例、血小板減少4例、貧血9例、感染症6例、口腔粘膜障害1例、肺炎3例、低血圧1例、神経障害;運動性2例、浮腫1例、高血糖1例、その他3例であった。
7.
Barlogie Bらは1984年に、29例の進行不応例の骨髄腫に、VAD療法が行われ、75%の症例に急速に反応が認められ、アルキル化剤耐性例20例中14例に反応が認められたことを報告した(N Eng J Med 310:1353-6, 1984)。初回、第2回投与時の有害事象のうち好中球減少は、最低値が平均1,700/microL(250~4,100), 血小板減少は、13.8万(1.1~23.3万)、11例に発熱、8例に抗生物質の投与が必要で、うち4例に肺炎、2例にグラム陽性菌による敗血症、2例はグラム陰性菌の敗血症であった。ウイルス感染としては、ヘルペスによる食道炎、herpes zoster感染1例、cytomegalovirus感染症1例である。麻痺性イレウスが1例認められたが、vincristine中止により生じなかった。
2.
・末梢神経障害(痺れ)はオキサリプラチン投与によるもので、投与直後~数日以内にみられる急性末梢神経障害
重篤な有害事象5件が3つの研究で報告されていた。神経周囲に投与したデキサメタゾンとプラセボを比較した試験の1件では、患者1人に神経ブロック関連の有害事象(気胸または肺虚脱)が発生したが、この患者がどちらに割り付けられていたかは報告されていなかった。その他の有害事象は神経ブロックと関連がなく、デキサメタゾンの神経周囲投与と静脈内投与、およびプラセボを比較した2件の試験で発生した。プラセボ群の患者2人が術後1週間以内に入院を必要としており、1人は転倒によるもの、もう1人は腸管感染症によるものであった。プラセボ群の患者1人が複合性局所疼痛症候群(CRPS)と呼ばれる慢性疼痛症候群を発症し、デキサメタゾン静脈内投与群では1人が肺炎を発症した。安全性の問題に関するエビデンスの質は非常に低かった。
手術後12時間の時点での痛みの強さは、プラセボ群と比較してデキサメタゾン神経周囲投与群で低く(5研究、患者257人、非常に質の低いエビデンス)、手術後24時間時点でも同様であった(9研究、患者469人、質の低いエビデンス)。デキサメタゾン静脈内投与群とプラセボ群を比較したところ、手術後12時間の時点(3研究、患者162人、質の低いエビデンス)と24時間の時点(5研究、患者257人、質の低いエビデンス)のいずれも、デキサメタゾン静脈内投与群のほうがプラセボ群よりも痛みの強さが低かった。使用したオピオイド系鎮痛薬の量も、神経周囲および静脈内にデキサメタゾン投与を受けた患者では少なかった。デキサメタゾンの神経周囲投与と静脈内投与の比較では、手術後の痛みの強さや使用したオピオイド系鎮痛薬の量に差はなかった。したがって、デキサメタゾンの投与方法のどちらか一方が痛みの軽減に優れているわけではないと結論付けた。
手足症候群や末梢神経障害のみを理由とする治療中止,レジメン変更は少ない傾向に ..
Cesana Cらは、97例に対して、合計340コースのVAD療法について細菌感染症の危険因子について報告している。(Haematologica 88:1022-1028, 2003)1990年5月から2001年12月までの97例において、340コース中、敗血症3例(1.5%)、肺炎18例(9.7%)、CMV感染症2例、原因不明熱1例であった。その他に軽度の感染症として、尿路感染3例、急性気管支炎1例、皮膚蜂か織炎、である。帯状疱疹3例、口腔内カンジダ症4例、32例の患者に合計44回感染症のエピソードがあった。危険因子については単または多変量解析によって、診断後4ヶ月以後、好中球数最低値が1,000未満、血清クレアチニン値1.2mg/dLをこえている、抗生物質の予防投与の内場合、中心静脈留置、に感染症発症の危険率が高くなるとしている。治療前の危険因子としては男性、前治療歴を有する、持続点滴による投与、年齢56歳を越えた場合、骨髄腫のタイプとしては、病期にはよらず、尿中L鎖陽性者、PS, 非寛解例に高かった。
以上の8編の論文から好中球減少は約20%に認められ、感染症の合併には注意を要する。またこの疾患自体が免疫不全であり、高齢者に多い疾患であり、感染症、特に肺炎の合併、PSの不良例では注意する。
4.本療法の位置づけについて
5.国内における本剤の使用状況について
感覚神経ブロック持続時間は、プラセボ群と比較したところ、デキサメタゾンの神経周囲投与群で6時間半(27研究、患者1,625人、低い質のエビデンス)、デキサメタゾン静脈内投与群では6時間(8研究、患者499人、中等度の質のエビデンス)延長した。デキサメタゾンの神経周囲投与と静脈内投与を比較した場合、感覚神経ブロック持続時間は神経周囲投与群のほうが3時間長かった(9研究、患者720人、中等度の質のエビデンス)。
がん化学療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き 2017年版
デキサメタゾンとは、ステロイドの一種であり、手術後の痛みや組織損傷に対する炎症反応(熱、痛み、発赤、腫れ)を軽減する可能性がある。神経ブロックを受ける人に対して、末梢神経ブロックによる痛みの軽減効果を長く保つために神経周囲または静脈内に局所麻酔剤とともにデキサメタゾンを投与することがある。
Grade2以下(末梢神経障害についてはGrade1以下とする)
神経ブロックとは、神経から脳に伝達される痛みの信号を遮断することによって痛みを予防したり和らげたりすることである。それは手術中または手術後すぐに神経周囲に局所麻酔剤(痛みを感じないようにするための薬剤)を注射することである。神経ブロックによる痛みの軽減は術後わずか数時間しか持続せず、その後患者は中等度から重度の痛みを感じることがある。
・末梢神経障害:26mg/m2(5コース)でプラトー、皮下投与の方が発現頻度は少ない.
追跡期間中央値 14.7 ヵ月の時点での無増悪生存期間は,イキサゾミブ群のほうがプラセボ群よりも有意に長かった(中央値 20.6 ヵ月 対 14.7 ヵ月,イキサゾミブ群の病勢進行または死亡のハザード比 0.74,P=0.01).イキサゾミブレジメンでは,事前に規定した,高リスクの細胞遺伝学的異常を有する患者などのサブグループすべてで,プラセボレジメンと比較して無増悪生存期間に利益が認められた.全奏効率は,イキサゾミブ群 78%,プラセボ群 72%であり,完全奏効または最良部分奏効が得られた患者の割合はそれぞれ 48%と 39%であった.追跡期間中央値が約 23 ヵ月の時点での奏効までの期間の中央値は,イキサゾミブ群 1.1 ヵ月,プラセボ群 1.9 ヵ月であり,奏効期間の中央値はそれぞれ 20.5 ヵ月と 15.0 ヵ月であった.全生存期間中央値は両群ともに未到達であり,追跡は継続中である.重篤な有害事象の発現率は同程度であり(イキサゾミブ群 47%,プラセボ群 49%),試験期間中の死亡率も同程度であった(それぞれ 4%,6%).グレード 3 以上の有害事象は,それぞれ 74%と 69%で発現した.グレード 3,グレード 4 の血小板減少症は,イキサゾミブ群(それぞれ 12%と 7%)のほうがプラセボ群(それぞれ 5%と 4%)よりも頻度が高かった.発疹は,イキサゾミブ群のほうがプラセボ群よりも頻度が高く(36% 対 23%),消化器系有害事象も,主に低グレードであったがイキサゾミブ群のほうが頻度が高かった.末梢神経障害の発生率は,イキサゾミブ群 27%,プラセボ群 22%であった(グレード 3 の末梢神経障害は各群 2%で発生した).患者による QOL 評価は両群で同程度であった.