合成副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)製剤で、炎症やアレルギー症状を改善する作用や、免疫反応を抑える作用などさまざまな働きがあります。
途中で症状が改善しても中止せず、最後まで服用するように指導します。手引きではデキサメタゾンとして6mgの服用が推奨されており、デカドロン®錠4mgを用いる場合では1回あたり1.5錠の服用が必要となるため、1回量を確認することもポイントです。
デカドロン注射液 1.65mg:0.5mL 中にデキサメタゾンとして 1.65mg
また、デキサメタゾンの服用により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害などの重篤な副作用があらわれる例が報告されています。これらの副作用があらわれた場合における対応について、適切な指導を行うことも求められています。
○溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血
[PDF] デカドロン 錠 0.5mg デカドロン 錠 4mg デカドロン エリキシル 0.01%
2020年11月時点のデキサメタゾンの薬価は、デカドロン®錠4mgが31.9円/錠、デカドロン®注射液6.6mg2mLが299円/瓶です。内服薬の後発医薬品はありませんが、注射液では後発医薬品として富士製薬のデキサート注射液6.6mg2mLが156円/瓶として薬価収載されています。
この記事では、デキサメタゾンの効果や副作用、薬価などについて解説していきました。現在では、2020年5月にレムデシビル(商品名:ベクルリー®点滴静注液)が特例承認され、ファビピラビル(商品名:アビガン®錠)などの適応外使用も認められるなど、新型コロナウイルス感染症に対して用いることのできる薬剤の選択肢は増えつつあります。
デカドロン注射液1.65mg(サンド株式会社)の基本情報・副作用
○気管支喘息、喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)、薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病
○★湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、★痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(但し、重症例に限る。また、固定蕁麻疹は局注が望ましい)、蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、★乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、★掌蹠膿疱症(重症例に限る)、★扁平苔癬(重症例に限る)、成年性浮腫性硬化症、紅斑症(★多形滲出性紅斑、結節性紅斑)(但し、多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る)、IgA血管炎(重症例に限る)、ウェーバークリスチャン病、粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、レイノー病、★円形脱毛症(悪性型に限る)、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、先天性表皮水疱症、帯状疱疹(重症例に限る)、★紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、顔面播種状粟粒性狼瘡(重症例に限る)、アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む)、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ
(1)デキサメタゾン経口製剤(製品名:デカドロン錠 0.5mg、4mg)の使用は、既に
通常、成人に対する用法・用量は次の通りである。
なお、年齢、症状により適宜増減する。1).静脈内注射:デキサメタゾンとして1回1.65~6.6mg、3~6時間毎。
2).点滴静脈内注射:デキサメタゾンとして1回1.65~8.3mg、1日1~2回。3).筋肉内注射:デキサメタゾンとして1回1.65~6.6mg、3~6時間毎。
4).関節腔内注射:デキサメタゾンとして1回0.66~4.1mg、原則として投与間隔を2週間以上とすること。5).軟組織内注射:デキサメタゾンとして1回1.65~5.0mg、原則として投与間隔を2週間以上とすること。
6).腱鞘内注射:デキサメタゾンとして1回0.66~2.1mg、原則として投与間隔を2週間以上とすること。7).滑液嚢内注入:デキサメタゾンとして1回0.66~4.1mg、原則として投与間隔を2週間以上とすること。
8).硬膜外注射:デキサメタゾンとして1回1.65~8.3mg、原則として投与間隔を2週間以上とすること。9).脊髄腔内注入:デキサメタゾンとして1回0.83~4.1mg、週1~3回。
10).胸腔内注入:デキサメタゾンとして1回0.83~4.1mg、週1~3回。11).腹腔内注入:デキサメタゾンとして1回1.65mg。
12).局所皮内注射:デキサメタゾンとして1回0.04~0.08mg宛0.83mgまで、週1回。13).結膜下注射:デキサメタゾンとして1回0.33~2.1mg、その際の液量は0.2~0.5mLとする。
14).球後注射:デキサメタゾンとして1回0.83~4.1mg、その際の液量は0.5~1.0mLとする。15).点眼:デキサメタゾンとして1回0.21~0.83mg/mL溶液1~2滴、1日3~8回。
16).ネブライザー:デキサメタゾンとして1回0.08~1.65mg、1日1~3回。17).鼻腔内注入:デキサメタゾンとして1回0.08~1.65mg、1日1~3回。
18).副鼻腔内注入:デキサメタゾンとして1回0.08~1.65mg、1日1~3回。19).鼻甲介内注射:デキサメタゾンとして1回0.66~4.1mg。
20).鼻茸内注射:デキサメタゾンとして1回0.66~4.1mg。21).喉頭・気管注入:デキサメタゾンとして1回0.08~1.65mg、1日1~3回。
22).中耳腔内注入:デキサメタゾンとして1回0.08~1.65mg、1日1~3回。23).耳管内注入:デキサメタゾンとして1回0.08~1.65mg、1日1~3回。
24).食道注入:デキサメタゾンとして1回0.83~1.65mg。〈多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉
点滴静脈内注射:ビンクリスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩との併用において、デキサメタゾンの投与量及び投与法は、通常1日量デキサメタゾンを33mgとし、21日から28日を1クールとして、第1日目から第4日目、第9日目から第12日目、第17日目から第20日目に、投与する。なお、投与量及び投与日数は、年齢、患者の状態により適宜減ずる。
〈抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)〉静脈内注射、点滴静脈内注射:通常、成人にはデキサメタゾンとして1日3.3~16.5mgを、1日1回又は2回に分割して投与する。
ただし、1日最大16.5mgまでとする。(用法及び用量に関連する注意)
悪性リンパ腫に対する他の抗腫瘍剤との併用療法においては、併用薬剤の添付文書も参照すること。
デキサメタゾンの主な副作用としては、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、消化管穿孔、膵炎、精神変調、緑内障、血栓塞栓症などが報告されています。服用中止後に、発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、ショック等の離脱症状があらわれる場合もあるので、注意が必要です。
[PDF] デカドロン錠 4 mg の 健康成人における生物学的同等性試験
※本剤の新型コロナウイルス感染症に対する使用経験は少ないため、今後の有効性や有害事象等の知見の集積にともない、新たな情報が得られる可能性があります。「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」などの最新の情報を確認のうえ、適切な取り扱いを行うようにしてください。
デカドロン錠0.5mg(日医工株式会社)| 処方薬 | お薬検索
デキサメタゾンとして6mgを1日1回、10日間にわたり服用します。体重40kg未満の患者さまでは0.15mg/kg/日へ減量を考慮し、肥満・過体重例では用量につき個別に検討することが推奨されています。また、患者さまの状態によっては経口・経管以外に、静注が選択される場合もあります。
このために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 商品名, デカドロン錠0.5mg
デキサメタゾンは副腎皮質ホルモン製剤であるため、効果・効能は多岐にわたります。具体例としては、慢性副腎皮質機能不全、関節リウマチ、エリテマトーデス、うっ血性心不全、気管支喘息、悪性リンパ腫、重症感染症などがあげられます。詳細については、添付文書を確認するようにしてください。
[PDF] デカドロン錠 0.5mg デカドロン錠 4mg デカドロンエリキシル 0.01%
(警告)
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。(禁忌)
2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.感染症のある関節腔内、感染症のある滑液嚢内、感染症のある腱鞘内又は感染症のある腱周囲[免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある]。
2.3.動揺関節の関節腔内[関節症状が増悪するおそれがある]。2.4.次の薬剤を投与中の患者:
デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>。〈本剤全身投与の患者〉ダクラタスビル塩酸塩投与中、アスナプレビル投与中。
〈本剤全身投与(ただし単回投与の場合を除く)の患者〉リルピビリン塩酸塩投与中、RPV・TAF・FTC投与中(リルピビリン塩酸塩・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン)、ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩投与中〔10.1参照〕。(重要な基本的注意)
8.1.〈効能共通〉本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。8.1.1.〈効能共通〉投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。また、局所的投与で十分な場合には、局所療法を行うこと。
8.1.2.〈効能共通〉投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。8.1.3.〈効能共通〉連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること)。
8.1.4.〈効能共通〉原則として眼科用に用いる場合には2週間以上の長期投与は避けること。8.2.〈効能共通〉本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと〔11.1.2参照〕。
8.3.〈効能共通〉特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である〔11.1.2参照〕。8.3.1.〈効能共通〉本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
8.3.2.〈効能共通〉水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。水痘又は麻疹への感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。8.3.3.〈効能共通〉水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.4.〈効能共通〉連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい〔9.1.1、11.1.7参照〕。8.5.〈効能共通〉褐色細胞腫の合併を認識していなかった状態でデキサメタゾン製剤(経口剤及び注射剤)を投与した際に褐色細胞腫クリーゼを発現したとの報告がある(本剤投与後に著明な血圧上昇、頭痛、動悸等が認められた場合は、褐色細胞腫クリーゼの発現を考慮した上で適切な処置を行うこと)〔9.1.12参照〕。
8.6.〈効能共通〉リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合に腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.10参照〕。8.7.〈多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉本療法は、中心静脈カテーテルを留置して行う必要があり、本療法を行う際には、感染症の合併に注意すること。
8.8.〈多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉本療法を行う多発性骨髄腫の患者のうち、多発性骨髄腫の高齢者、特に多発性骨髄腫の高齢者で全身状態不良例では感染症の合併に注意すること。8.9.〈強皮症〉強皮症患者における強皮症腎クリーゼの発現率は、副腎皮質ホルモン剤投与患者で高いとの報告があるので、本剤を強皮症患者に投与する場合は、血圧及び腎機能を慎重にモニターし、強皮症腎クリーゼの徴候や症状の出現に注意すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1.次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。(1).有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
(2).消化性潰瘍の患者:粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある〔11.1.4参照〕。(3).精神病の患者:中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある〔11.1.5参照〕。
(4).結核性疾患の患者:免疫抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。(5).単純疱疹性角膜炎の患者:免疫抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
(6).後嚢白内障の患者:水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがある〔8.4、11.1.7参照〕。(7).緑内障の患者:眼圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある〔8.4、11.1.7参照〕。
(8).高血圧症の患者:ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。(9).電解質異常のある患者:ナトリウム・水貯留作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。
(10).血栓症の患者:血液凝固能が亢進し、血栓症が増悪するおそれがある〔11.1.8参照〕。(11).最近行った内臓の手術創のある患者:創傷治癒を遅延するおそれがある。
(12).急性心筋梗塞を起こした患者:心破裂を起こしたとの報告がある。(13).コントロール不良の糖尿病の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。
9.1.2.ウイルス性結膜疾患・ウイルス性角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患及び急性化膿性眼疾患の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、眼科的投与は避けること(免疫抑制作用により、これらの症状が増悪するおそれがある)。9.1.3.感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.4.糖尿病の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある〔11.1.3参照〕。9.1.5.骨粗鬆症の患者:骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより、骨粗鬆症が増悪するおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.6.甲状腺機能低下のある患者:血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。9.1.7.脂肪肝の患者:脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
9.1.8.脂肪塞栓症の患者:脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。9.1.9.重症筋無力症の患者:使用当初、一時症状が増悪することがある。
9.1.10.B型肝炎ウイルスキャリアの患者:本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと(副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある)。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている〔11.1.2参照〕。9.1.11.薬物に過敏な喘息、食物に過敏な喘息、添加物に過敏な喘息等の患者:副腎皮質ホルモン剤の投与により、気管支喘息患者の喘息発作を増悪させたとの報告がある〔11.1.9参照〕。
9.1.12.褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある〔8.5参照〕。(腎機能障害患者)
9.2.1.腎不全の患者:症状が増悪するおそれがある。(肝機能障害患者)
9.3.1.肝硬変の患者:慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(新生児に副腎不全を起こすことがあり、また、血圧上昇、心筋壁肥厚を起こすとの報告がある、動物実験で催奇形作用が報告されている)。本剤(デキサメタゾンとして1日0.15mg)をマウスの妊娠11日から14日まで4日間にわたり筋肉内注射した試験において、口蓋裂の発生が認められている。
(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することがある)。
(小児等)9.7.1.観察を十分に行うこと。小児等の発育抑制があらわれることがある。
9.7.2.長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。9.7.3.筋肉内又は皮内投与はなるべく避けること(小児等では、特に投与部位の組織萎縮<陥没>を起こしやすい)。
9.7.4.低出生体重児で、脳性麻痺、一過性肥大型心筋症が起こることが報告されている。(高齢者)
高齢者:長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。(相互作用)
本剤は、主に肝代謝酵素チトクロームP4503A4(CYP3A4)により代謝される。また、CYP3A4の誘導作用をもつ。10.1.併用禁忌:
1).デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.4参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(機序不明)]。2).〈本剤全身投与の患者〉ダクラタスビル塩酸塩<ダクルインザ>、アスナプレビル<スンベプラ>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度を低下させ作用を減弱させるおそれがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。
3).〈本剤全身投与(ただし単回投与の場合を除く)の患者〉リルピビリン塩酸塩<エジュラント>、RPV・TAF・FTC(リルピビリン塩酸塩・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン)<オデフシィ>、ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩<ジャルカ>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度を低下させ作用を減弱させるおそれがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。10.2.併用注意:
1).バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)、リファンピシン、カルバマゼピン[本剤の作用が減弱することが報告されている(これらの薬剤がチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)]。2).フェニトイン[本剤の作用が減弱することが報告されている(フェニトインがチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)。併用により、フェニトインの血中濃度が上昇又は低下するとの報告がある(機序不明)]。
3).サリチル酸誘導体(アスピリン等)[併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸中毒を起こすことが報告されている(本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する)]。4).抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は血液凝固促進作用がある)]。
5).糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)[これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する)]。6).血圧降下剤[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある(機序不明)]。
7).利尿剤[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある(機序不明)]。8).利尿剤<カリウム保持性利尿剤を除く>(トリクロルメチアジド、フロセミド)[併用により、低カリウム血症があらわれることがある(本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある)]。
9).シクロスポリン[副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある(シクロスポリンの代謝を阻害する)]。10).マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)、アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール)[副腎皮質ホルモン剤の作用が増強されるとの報告がある(本剤の代謝が阻害されるおそれがある)]。
11).HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)[本剤のAUCの上昇あるいはこれらの薬剤のAUCが低下するおそれがある(チトクロームP450に対して競合する可能性があり、また、本剤がチトクロームP450を誘導することより、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。12).エフェドリン[副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され血中濃度が低下するとの報告がある(機序不明)]。
13).サリドマイド[海外において、多発性骨髄腫における本剤との併用により、中毒性表皮壊死症<Lyell症候群>が発現したとの報告がある(機序不明)]。(臨床検査結果に及ぼす影響)
12.1.インドメタシン投与中の患者にデキサメタゾン抑制試験を実施すると試験結果が偽陰性になるとの報告がある。12.2.副腎皮質ホルモン剤は、細菌感染症に対するニトロブルー・テトラゾリウム試験に影響を及ぼし、試験結果が偽陰性を示すことがある。
(適用上の注意)14.1.薬剤投与時の注意
14.1.1.〈静脈内投与〉血管痛、静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するため、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。14.1.2.〈筋肉内投与〉次記の点に注意すること。
・〈筋肉内投与〉筋肉内投与は、やむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。・〈筋肉内投与〉筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。
・〈筋肉内投与〉筋肉内投与時神経走行部位を避けること。・〈筋肉内投与〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・〈筋肉内投与〉注射部位に疼痛、硬結をみることがある。(その他の注意)
15.1.臨床使用に基づく情報副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。
(取扱い上の注意)デキサメタゾン水性注射剤は光にあたると徐々に分解するので注意すること。
(保管上の注意)冷所保存、凍結を避けること。
デカドロン注射液3.3mg | くすりのしおり : 患者向け情報
新型コロナウイルス感染症の重症患者では、肺障害および多臓器不全をもたらす全身性炎症反応を発現することが確認されています。ステロイドは抗炎症作用を有するため、デキサメタゾンにはこれらの有害な炎症反応を予防または抑制する可能性が示唆されており、前述の試験によって効果が裏付けられました。
デキサメタゾン 21-酢酸エステル:デカドロン-LA、Panasone
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用11.1.1.ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):失神、意識喪失、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下等の症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
11.1.2.誘発感染症(頻度不明)、感染症の増悪(頻度不明)〔9.1.1参照〕:誘発感染症、感染症増悪があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある(B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと)〔8.2、8.3、9.1.1、9.1.3、9.1.10参照〕。11.1.3.続発性副腎皮質機能不全(頻度不明)、糖尿病(頻度不明)〔9.1.4参照〕。
11.1.4.消化性潰瘍(頻度不明)、消化管穿孔(頻度不明)、膵炎(頻度不明)〔9.1.1参照〕。11.1.5.精神変調(頻度不明)、うつ状態(頻度不明)、痙攣(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.6.骨粗鬆症(頻度不明)、大腿骨頭無菌性壊死及び上腕骨頭無菌性壊死等の骨頭無菌性壊死(頻度不明)、ミオパシー(頻度不明)、脊椎圧迫骨折(頻度不明)、長骨病的骨折(頻度不明)〔9.1.5参照〕。11.1.7.緑内障(頻度不明)、後嚢白内障(頻度不明)〔8.4、9.1.1参照〕。
11.1.8.血栓塞栓症(頻度不明)〔9.1.1参照〕。11.1.9.喘息発作(頻度不明)〔9.1.11参照〕。
11.1.10.腫瘍崩壊症候群(頻度不明):リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.6参照〕。11.2.その他の副作用
1).内分泌:(頻度不明)月経異常。2).消化器:(頻度不明)下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進。
3).精神神経系:(頻度不明)多幸症、不眠、頭痛、めまい。4).筋・骨格:(頻度不明)筋肉痛、関節痛。
5).投与部位:①.〈関節腔内投与〉(頻度不明)関節の不安定化[関節の不安定化は投与直後に患部を強く動かすと起こりやすいとされているので、関節腔内投与後は患者をしばらく安静にさせること]、疼痛増悪・腫脹増悪・圧痛増悪。
②.〈筋肉内又は皮内投与〉(頻度不明)組織萎縮による陥没(局所)。6).脂質・蛋白質代謝:(頻度不明)満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝。
7).体液・電解質:(頻度不明)浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス。8).眼:(頻度不明)中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出。
9).血液:(頻度不明)白血球増多。10).皮膚:(頻度不明)ざ瘡、多毛、脱毛、皮膚色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚線条、皮膚そう痒、発汗異常、顔面紅斑、紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・皮膚脆弱化、脂肪織炎。
11).その他:(頻度不明)発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数増減及び精子運動性増減、しゃっくり、*刺激感(*ピリピリした痛み、*しびれ、*ひきつり感等)[*:静脈内投与した際に、発現したとの報告がある]。