薬剤師のためのBasic Evidence(制吐療法) | 日医工株式会社


以前よりわが国では,経口抗がん薬のうちフッ化ピリミジン薬の使用頻度が高く,大腸がんにおけるUFT/ロイコボリン,カペシタビン,胃がんにおけるS-1,肺がんにおけるUFT は比較試験により術後補助薬物療法の有効性が示されている。また,切除不能再発胃がんや大腸がんに対しても,S-1 やカペシタビン,UFT/ロイコボリン,大腸がんにおけるTAS102(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)は,ガイドラインで推奨されている治療の一つである。これらの経口抗がん薬は単回での催吐性リスクは少ないが,連日内服による消化器症状がある。


[PDF] 選択的NK1受容体拮抗型制吐剤 アプレピタントカプセル

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5-FU/CDDP±放射線療法開始後0~24時間、24~120時間並びに0~120時間までの嘔吐完全抑制(Complete Response; CR :嘔吐性事象なし、制吐処置無し)率

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1) 5-FU/CDDP±放射線療法開始後0~24時間、24~120時間並びに0~120時間までの嘔吐性事象の完全制御(Complete Control; CC :嘔吐性事象なし、制吐処置無し、悪心なし又は軽度)率
2) 5-FU/CDDP±放射線療法開始後24~120時間まで、0~24時間まで並びに0~120時間までの悪心の程度
3) 安全性

[PDF] 2016年04月 『抗癌剤の催吐性リスク分類と制吐療法について』

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中等度催吐性化学療法
パロノセトロン-プラチナ製剤投与日: 0.75mg iv.
デキサメタゾン-プラチナ製剤投与日: 9.9mg iv., 2~4日目: 8mg po.

高度催吐性化学療法
パロノセトロン-プラチナ製剤投与日: 0.75mg iv.
デキサメタゾン-プラチナ製剤投与日: 9.9mg iv., 2~4日目: 8mg po.
アプレピタント-プラチナ製剤投与日: 125mg po., 2~3日目: 80mg po.
または、ホスアプレピタント-プラチナ製剤投与日: 150mg iv.

これら経口抗がん薬の治療効果を得るためには,服用アドヒアランスを損なわないよう悪心・嘔吐対策が重要である。

(3)シスプラチン誘発嘔吐反応に対するデキサメタゾン及びオンダンセトロン(5-HT3受容体拮抗型制吐剤)との併用効果

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5-FU/CDDP±放射線療法施行に起因する急性及び遅発性の消化器症状(悪心・嘔吐)に対するデキサメタゾン/パロノセトロン/アプレピタントの有効性、安全性に及ぼす影響を検討する。

軽度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,制吐薬3 種類(5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾン,ドパミン受容体拮抗薬)を単剤で使用することが勧められているが,最小度リスクに対する制吐薬の予防的使用は推奨されていない。一方,NCCN ガイドライン2017 では,軽度・最小度リスクの経口抗がん薬を含めて,悪心・嘔吐が生じた際にメトクロプラミド,プロクロルペラジン,5-HT3受容体拮抗薬などの連日投与(必要に応じてオランザピンやロラゼパムを併用)が推奨されている。しかし,経口抗がん薬に対する制吐薬の比較試験がないため,これらの推奨される制吐療法の信頼度は低い。ただし,これらの経口抗がん薬の有効性のエビデンスを示した比較試験のプロトコールをみると,Grade 2 の悪心・嘔吐が発現した場合にはおおむね支持療法を行うかまたは休薬し,支持療法によってコントロールできない場合には,投与量を一段階減量する,さらにGrade 3 の悪心・嘔吐が発現した場合は,投与量を一段階減量することが一般的である。したがって,がん薬物療法のエビデンスを示した臨床試験のプロトコールを参考に,日常臨床で使用されている薬剤を使用するほか,食事の工夫,カウンセリングなどの支持療法を実施し,コントロール不良の際は休薬し,抗がん薬を一段階減量して再開するという原則を守り,Grade 3 以上の悪心・嘔吐を発現させず,Grade 2の悪心・嘔吐が継続しないように内服を継続することが求められる。

注)アプレピタントを使用しない場合は、1日目のデキサメタゾン注射薬

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①プラチナ製剤投与開始後0-24時間、24-120時間のCR率
②プラチナ製剤投与開始後0-24時間、24-120時間、0-120時間の嘔吐完全制御(Complete Control; CC)率
③プラチナ製剤投与開始後0-24時間、24-120時間、0-120時間の悪心の程度
④有害事象

また,高度・中等度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,5-HT3受容体拮抗薬,副腎皮質ステロイドの2 剤併用が推奨されている。NCCN ガイドライン2017 では,5-HT3受容体拮抗薬の経口連日投与が推奨されているが,シクロホスファミド,エトポシド,テモゾロミドでは,日常臨床において治療目的や放射線治療併用のために副腎皮質ステロイドが併用されていることが多い。


合 デキサメタゾン 8mg) + (アプレピタント使用の場合:アプレピタント 80mg Day2,3)

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食道癌治療に対するパロノセトロン/デキサメタゾン/アプレピタントの検討

また、オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。 注7)本剤の投与は1 ..

抗がん薬の催吐性リスクは,高度,中等度,軽度,最小度の4 段階に分類される。良好な治療アドヒアランスを得て,がん治療を円滑に進めるためにも,催吐性リスクの適正な評価と個々の症例に応じた予防的対処を行う必要がある。

ント群(アプレピタント 80 mg+デキサメタゾン 8 mg、30 名)及びデキサメタ ..

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プラチナ製剤投与開始後0-120時間の嘔吐完全抑制(Complete Response; CR)率

(3)シスプラチン誘発嘔吐反応に対するデキサメタゾン及びオンダンセトロン(5-HT3受

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1)尿路上皮癌に対し、以下の化学療法の施行を予定している患者
・高度催吐性化学療法…MVAC療法、GC療法
・中等度催吐性化学療法…GN療法
2)過去に化学療法が実施されていない、または催吐性レベルが日本癌治療学会分類において「軽度(催吐性リスク」以下の抗悪性腫瘍薬の単独投与による既治療例。
3)登録時の年齢が20歳以上である患者
4)登録前14日以内の臨床検査にて主要臓器機能(骨髄、肝、腎など)の機能が十分保持されており、化学療法が実施可能と判断される患者
5)Performance Status(ECOG scale)が0または1の患者
6)本研究の被験者となることについて本人より文書による同意が得られている患者

2013)2)、5-HT3 拮抗剤及びデキサメタゾンに対するオランザピン又はアプレピタントの上乗

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食道癌5-FU/CDDP±放射線併用療法におけるパロノセトロン/デキサメタゾン/アプレピタント制吐療法の有効性・安全性の検討

したパロノセトロン、アプレピタント及びデキサメタゾン併用制吐療法の有効性及び

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食道癌5-FU/CDDP±放射線併用療法におけるパロノセトロン/デキサメタゾン/アプレピタント制吐療法の有効性・安全性の検討

① 5-HT3受容体拮抗薬(Day 1)② アプレピタント125 mg(Day 1),80 mg(Day 2〜3)③ デキサメタゾン ..

抗がん薬投与後,24 時間以内に出現する急性嘔吐は,抗がん薬の治療アドヒアランスを妨げる最も大きな要因の一つであり,その予防制吐効果の成否は遅発性嘔吐の治療効果にも影響を及ぼす。したがって,特に催吐性リスクが高度および中等度の抗がん薬投与に際しては,急性嘔吐を未然に防ぎ,さらに遅発性嘔吐の治療反応性を良好に保つためにも,積極的な制吐薬の投与を行う必要がある。以下に急性嘔吐の予防を目的として,抗がん薬投与前に行うべき対処を催吐性リスク別に概説する。

HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下における NK1 受容体拮抗薬(アプレピタントま ..

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尿路上皮癌化学療法に伴う悪心・嘔吐に対するパロノセトロン/デキサメタゾン(中等度催吐性化学療法時)およびパロノセトロン/アプレピタント/デキサメタゾン(高度催吐性化学療法時)の有効性と安全性を検討する。

注)アプレピタントを使用しない場合は、1日目のデキサメタゾン注射薬は

NK1受容体拮抗薬であるアプレピタント125 mg 経口投与もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与と5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾン9.9 mg 静注(12 mg 経口)の3 剤併用が推奨される。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2 剤併用に比べ,アプレピタントを加えた3 剤を併用することで制吐作用の著しい改善が示されている。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬(→ 参照)は,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,薬剤間またその投与経路によって効果に大きな差はなく,用量や投与回数の影響を受けないことから,抗がん薬投与開始前に必要量を単回投与とする。第2 世代5-HT3受容体拮抗薬のパロノセトロンは,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,急性嘔吐の予防効果は他薬剤と同等であるが,遅発性嘔吐の予防において優れている(→ 参照)。デキサメタゾンの用量(→ 参照)については,第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬との2 剤併用では13.2~16.5 mg を静注(16~20 mg を経口)とされてきたが,アプレピタントとの併用では,アプレピタントがCYP3A4 を阻害することによりデキサメタゾンの濃度-時間曲線下面積(area under the concentration-time curve; AUC)が増加するため,3 剤併用では9.9 mg 静注(12 mg 経口)に減量する。ただし,副腎皮質ステロイドが抗がん薬として投与されるCHOP 療法などではレジメン内のステロイドは減量してはならない。アプレピタントの投与期間は3 日間が推奨される。ホスアプレピタントはアプレピタントの水溶性を向上させたリン酸化プロドラッグであり,静脈内投与後に体内の脱リン酸化酵素によって速やかに活性本体であるアプレピタントに変換される。ホスアプレピタントはオンダンセトロン,デキサメタゾンとの3 剤併用でアプレピタントとの同等性が示されており,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下での抗がん薬投与30 分前,150 mg の単回使用が推奨される。ただし,副作用として注射部位痛/発赤/血栓性静脈炎の頻度が高いことに留意すべきである。

高度(>90%)催吐性リスクの抗がん剤による治療を受ける人が嘔吐・吐き気を予防するために「アロキシ+デキサメタ.

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尿路上皮癌化学療法に伴う悪心・嘔吐に対するパロノセトロン/デキサメタゾンおよびパロノセトロン/アプレピタント/デキサメタゾン併用療法の検討

NK, 受容体拮抗薬: アプレピタントカプセル / ホスアプレピタント注、 ..

NCCN ガイドライン 2015 では,アプレピタントの代わりに多受容体作用抗精神病薬(MARTA)であるオランザピンをパロノセトロンとデキサメタゾンと3 剤併用で用いるオプションが示された。さらに同2017では,新たにアプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加えるレジメンも提示された。これらは,シスプラチンとAC療法を含む高度リスク抗がん薬投与に際し,オランザピンが,パロノセトロンとデキサメタゾン併用下においてアプレピタントと同等であることが示された第Ⅲ相ランダム化比較試験や,アプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加える有用性が示された第III相ランダム化比較試験の結果を受けている。ASCO ガイドライン2017 でもオランザピンを加えた4剤併用が推奨療法として追加された。オランザピンはわが国でも複数の臨床試験が行われた。オランザピンは公知申請により2017 年6 月から,他の制吐薬との併用において成人では5㎎ を1 日1 回経口投与(患者状態により最大1日10㎎ まで増量可能),最大6 日間を目安として先発品と一部の後発品で保険下にて使用が可能となった。本邦における推奨用量,使用方法については未だ検証段階であるため,適切な患者に慎重に投与することが望まれる。慎重投与すべき患者としては,糖尿病患者ならびに高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者であり,使用に際しては副作用の傾眠や血糖上昇に十分注意する。高齢者への投与も慎重に行うべきである。作用点が重複するドパミンD2 受容体拮抗薬ドンペリドン,メトクロプラミド,ハロペリドール,リスペリドンなどとの併用は勧められず,また,睡眠薬との併用には注意を要する。投与量に関してはランダム化第Ⅱ 相試験ではあるが,高度リスク抗がん薬投与に対し3剤併用に加えたオランザピン5 ㎎ と10 ㎎では遅発期の悪心・嘔吐の制御において同等であったとの報告もある

[PDF] パロノセトロンおよびデキサメタゾンの 制吐療法を受

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尿路上皮癌化学療法に伴う悪心・嘔吐に対するパロノセトロン/デキサメタゾンおよびパロノセトロン/アプレピタント/デキサメタゾン併用療法の検討

レピタントを 1 日目に 375mg、2~5 日目に 250mg 経口投与

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1)ピモジド投与中の患者(GN療法実施予定患者は除く)
2)悪性腫瘍以外に重篤(入院加療を要する)でコントロールできない合併症(腸管麻痺、肺繊維症、糖尿病、心不全、心筋梗塞、狭心症、腎不全、肝不全、精神疾患、脳血管障害、活動性胃・十二指腸潰瘍等)を有する患者
3)有症状の脳転移を有する、または臨床的に脳転移を有することが疑われる患者
4)抗痙攣薬の治療を要する患者
5)有症状で治療的穿刺を要する腹水または胸水貯留患者
6)胃幽門部狭窄はまた腸閉塞を有する患者
7)嘔吐性事象またはグレード2以上(CTCAE v4.0)の悪心が認められる患者
8)薬剤に対する過敏症の既往歴を有する患者
9)妊婦、授乳婦、妊娠の可能性のある女性、研究期間中に避妊することに同意しない患者
10)本研究の手順に関して協力する能力または意思を持たない患者
11)担当医師が本研究の対象として不適当と判断した患者