メラトニンは朝起きてから 14~16 時間で分泌される(睡眠を誘発するホルモン ..


メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。


ただし、睡眠時間が短いことだけが睡眠不足の原因とはいえません。 ..

メラトニンの分泌量に関連する遺伝子の変化とADHD症状との関連を検討
本研究は、2つの部分から構成されています。①台湾バイオバンクの遺伝子解析データと世界的な精神疾患の共同研究グループであるPsychiatric Genomics Consortiumの遺伝子解析データを用いて、メラトニン分泌とADHD診断に遺伝的な相関があるかを検討しました。②浜松医科大学で行われている「浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)」に参加するお子さんのうち、遺伝子解析に同意した876名のDNAを解析し、約650万箇所の遺伝子の変化を測定しました。また、このお子さんたちの8~9歳におけるADHD症状の程度を調べました。ついで、①の成果をふまえて、すべてのお子さんのメラトニン分泌に関連する遺伝子の変化の数と効果の大きさを数値化した「ポリジェニックリスクスコア」を計算し、ポリジェニックスコアとADHD症状の関連を検討しました。

本記事では、自律神経が乱れることでなぜ不眠症に繋がるのか、その関係性や、自律神経の乱れを作り出している主な原因など、知っておきたい不眠症の基礎知識をご紹介いたします。

セロトニンが不足すると抑うつ状態や不安障害になりやすく、これらは不眠や過眠などの睡眠の問題の原因となりますので、セロトニン不足 ..

ブルーライトは、太陽の光にも含まれています。昼間に太陽の光を浴びたり、スマートフォンを少し使用した程度では、特に問題ありません。しかし、長時間にわたり画面を見ていると必要以上にブルーライトを浴びてしまいます。
特に、睡眠の質を低下させているのが夜のブルーライトです。寝る前や夜間にブルーライトを浴びると、睡眠ホルモンといわれているメラトニンの分泌が抑制されます。メラトニンが抑制されると、脳が昼間だと勘違いしてしまい、体内時計が後ろにずれてなかなか眠れず、朝起きるのがつらいといった状態を引き起こします。
メラトニンは、体温を下げて眠りへ導いてくれる他、睡眠中の成長ホルモンの分泌も促してくれます。ですから、スマートフォンによる睡眠の質の低下は、疲労回復や肌の再生などに影響を与える原因にもなるのです。


① メラトニンの分泌とADHDの診断には遺伝的な相関が見られる
メラトニン分泌とADHDの診断には遺伝的な相関が見られました。つまり、メラトニン分泌が少なくなる遺伝子の変化と、ADHDの発症リスクを高める遺伝子の変化は共通している部分が多いという結果が得られました。

さらに小林先生は「加齢以外の原因でもターンオーバーは低下し、その一因が睡眠不足です」と指摘します。 ..

NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。

② メラトニン分泌が低くなる体質の方ではADHD症状が強い
次に、台湾バイオバンクのデータを使って算出したメラトニン分泌に関連するポリジェニックスコアが低いと、HBC studyに参加したお子さんのADHD症状が強いことが分かりました。

そのため、夜暗くなるとメラトニンが増加して眠くなり、朝がきて明るくなるとメラトニンが減少して目が覚めると考えられています。 ..

科学的背景「睡眠覚醒リズムとADHD特性に関連がある可能性」
睡眠覚醒リズムにはメラトニンというホルモンが関与していることが知られていましたが、メラトニンは光を浴びると分泌が抑制されるために、これまでにメラトニンの分泌に関与する遺伝的な要因については明らかになっていませんでした。台湾国立大学の研究者らは、尿中のメラトニン代謝物が比較的安定しており、これをクレアチニン値で補正することで、早朝のメラトニン代謝物を測定することで夜間のメラトニン分泌を高い精度で推測できることを見出し、これを台湾の健常者を対象にして測定し、メラトニンの分泌に影響を与える遺伝子の変化を明らかにしました。本研究ではこの遺伝子解析の結果を利用して、浜松母と子の出生コホート参加者876名を対象にして研究を行いました。

今回の研究の結果からは、夜間のメラトニンの分泌が多いか、少ないかは体質的なものであるが、それがADHDの診断や症状の強さと関連している可能性が高い、と言えます。メラトニンの分泌が少ないことがADHDの原因なのか、ADHDだからメラトニンの分泌が少なくなるのか、といった因果関係までは言及できないものの、メラトニン分泌とADHDには関連があるために、ADHD症状をもつ方、とりわけ確定診断をもつ方では睡眠覚醒リズムの乱れが起きやすいと考えられます。


ラメルテオンは、メラトニン受容体のアゴニスト(作動薬)。 ..

社会的背景 「注意欠如多動症に対する認知の高まりと睡眠障害」
注意欠如多動症(ADHD)は神経発達症(発達障害)の一つで、じっとしていることや待つことが苦手といった多動性・衝動性と、集中力を持続することが苦手といった不注意を特徴とし、18歳以下の約5%、成人の約2.5%に見られると報告されています。また、ADHDを有する方は、睡眠障害を併存することが多く、特に睡眠覚醒リズムに乱れがあり、夜更かしや朝の起床困難がしばしば見られますが、それがADHD症状によるものなのか、他に原因があるのか、明らかになっていませんでした。

メラトニンは体内時計の調節や催眠作用を促す働きなどを持ちます ..

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

日常生活から考えられる原因 · 睡眠不足 · 睡眠環境 · 生活習慣 · ストレス.


先に述べた通り、メラトニンは睡眠リズムに大きな影響を与えていますが、このメラトニンを作り出すのが、神経伝達物質であるセロトニンです。セロトニンは、牛乳やバナナなどに含まれる必須アミノ酸が小腸で分解されて生成されるもので、腸で生成されたセロトニンは、血液を介して脳に供給されると、その後メラトニンに変化します。つまり、メラトニンを分泌させるには、その原料であるセロトニンが必須で、さらにそれには腸がしっかりと機能していることが必要なのです。しかし腸内環境が乱れ、腸の働きが悪いと、セロトニンの生成が滞り、メラトニンも不足するため、不眠を招いてしまうのです。

また、睡眠ホルモンのメラトニンが持つ強力な抗酸化作用で肌の ..

脳の松果体という部分から分泌されるホルモンで、体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があります。メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て分泌されます。

特にコロナ禍で睡眠の質が下がったという人は、運動不足が原因かもしれません。

人間の身体は、日光を浴びることで「日中である」と認識し、身体を覚醒させるセロトニンが分泌されます。そして、太陽が沈んで暗くなることで「夜である」と認識し、身体を休ませるメラトニンが分泌されます。
眠りのホルモンと言われるメラトニンがしっかりと分泌されるためには、セロトニンが十分に分泌される必要があります。
しかし、年齢を重ねて仕事を引退したり、身体が弱くなったりすると、現役時代よりも外出が減り、日光を浴びる機会が少なくなるため、メラトニンの分泌量が減って眠りが浅くなるのです。
また、日中活動するのと同様に、眠るのにも力が必要です。
高齢になってエネルギーが少なくなることで、眠りにくくなるとも言われています。

老廃物のひとつ、アミロイドβというタンパクが脳に蓄積することが、アルツハイマー病の原因と言われていますが、睡眠不足 ..

1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。

メラトニン受容体作動薬: ロゼレム・メラトベル; オレキシン受容体拮抗薬 ..


人間には夜になると眠くなり、朝がくると目が覚めるという睡眠のリズムが備わっています。このリズムに影響するもののひとつが、ホルモンの分泌です。というのも、夜になると「睡眠ホルモン」と呼ばれる脳内物質・メラトニンの分泌量が増えていきます。メラトニンの分泌量が増えると、脈拍・体温・血圧が低下し、身体は活動モードから休息モードへと切り替わり、深い眠りにつくと考えられています。そして朝がくるにつれて、メラトニンの分泌量は減少し、次第に身体は覚醒します。このように睡眠のリズムは、メラトニンの分泌量によってコントロールされています。このリズムが乱れると不眠が引き起こされますが、その要因は何なのでしょうか。詳しくみていきましょう。

ストレスを感じやすくなるのは、日光を浴びることで分泌されるセロトニン不足が原因です。

不規則な生活が続くと、眠りが浅くなります。
それは、人間の睡眠リズムは、体内時計によって調整されているためです。
本来、太陽の光を浴びることで体は活動モードに切り替わり、太陽が沈んで暗くなることで休息モードに切り替わります。しかし、眠るのは朝方、起きるのは日中というように生活が不規則になると、体内時計は狂い、夜に身体を休めることができなくなってしまうのです。
体内時計に従って生活をしないと、徐々に疲労感は蓄積し、それがストレスの原因になります。
そのストレスによって不眠はさらに深刻になり、どんどん快適な睡眠は失われていくという悪循環に陥ってしまいます。

夜眠れない時にメラトニンを摂取するのは安全? 専門家が詳しく解説

<番外編>夜でもOKなセロトニン活性化アクション
「セロトニンは活性化させるだけでなく、分泌を妨げる敵を減らすことも大事」だと言う、有田先生。ここでは、先に挙げた「ストレス」を減らすためにできることをご紹介します。

「ストレス軽減には、セロトニンと並んで『幸せホルモン』と呼ばれる『オキシトシン』の分泌を活性化させてあげると良いですよ。オキシトシンにはストレスを鎮める、癒す効果があります。心地良い触刺激によって増えるので、例えば親と子が触れ合ったりペットと遊んだり、マッサージを受けるのも良いですね。直接肌を触れ合わせることが難しい場合は、お喋りも効果的です。ただしここで重要なのは、表情を見るなど言葉以外のコミュニケーションが伴うこと。コロナ禍では対面でお喋りするのは難しいと思いますが、オンラインやテレビ電話など相手の顔が見える状態で会話できればOKなので取り入れてみてください」

ストレスや肉体的・精神的疲労、睡眠不足などの蓄積が原因となることがあります。 · ユビー病気のQ&Aとは?

なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くて夜中に起きたり、朝早く目が覚めてしまったり……。このようにぐっすり熟睡できない状態を「不眠」といい、不眠が続くと、睡眠不足から体調を崩し、病気を引き起こすこともあります。健康的な生活を送るためにも不眠を解消したいものですが、その際注目したいのが、不眠と便秘の関係性です。一見つながりがないように思える両者ですが、その原因や解消法には、深いつながりがあるようです。そこで今回は、便秘と不眠の関係性について解説します。

体温が下がってしまう最も大きな原因は筋肉量の不足です。筋肉は人体の中 ..

ところで、みなさんは夜ぐっすり眠れていますか?冒頭でもお話しした通り、実はセロトニンは「睡眠」とも深い関係があるのです!

有田先生いわく、その秘密の鍵を握るのは、夜ぐっすり眠るために必要な物質「メラトニン」。別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、このメラトニンが多いと寝付きもよく、ぐっすり眠れるのです。メラトニンは脳内の松果体という部分から分泌されるホルモンで、覚醒を睡眠に切り替えて、自然な睡眠を促してくれます。起床してから14時間〜以降の日暮れ頃から分泌され始め、たくさん作られるほど睡眠の質が良くなることがわかっています。ちなみに、メラトニンはアンチエイジングとも密接な関わりがあり、元気で若々しくいるためにも欠かせないホルモンなんですよ。

そして、このメラトニンを分泌するための材料となるのがセロトニンです。朝起きてから分泌され始めるセロトニンは、陽が沈むと昼間作られたセロトニンを材料にメラトニンを分泌し始めるのです。つまり、快眠のためには、セロトニンを日中たくさん作っておくことが重要なのです!

そのためには、やはり朝どう過ごすかが重要になってきます。「朝遅く起きると、その分セロトニンを作る時間が十分ではないため、当然夜のメラトニン量も減ってしまいます」と指摘する有田先生。太陽とともに起きて、夜は早く布団に入り、8時間前後は眠る…。現代人にとってなかなか難しいとは思いますが、人間本来の生活こそが心身ともに元気に過ごす秘訣だということが分かりました。


「寝付きが悪い」「熟睡できない」という睡眠の悩みを抱えている方は、もしかすると“セロトニン不足”になる生活を送っているのかもしれません。今回ご紹介した、セロトニン活性化を促す方法を取り入れて、できるところから生活&睡眠改善していきましょう!

例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。

お酒を飲むと寝つきが良くなると思い、寝酒を飲む方も多いのではないでしょうか。
アルコールには一時的に体温を下げる作用があるため、飲み始めてすぐは眠くなります。
しかし、アルコールを摂取してから3時間程度経つと、アルコールは覚醒作用を持つ物質に変わります。そのため、寝酒をしてもすぐに目が覚めたり、眠りに付けなくなったりするのです。もし、朝まで眠れたとしても、それは質のよい睡眠とは言えません。
疲れやストレスを感じているときには、ついつい多くのアルコールを摂取してしまいがちです。
お酒は適量であれば身体に悪いものではありませんが、質の良い睡眠を得るためにも、飲むタイミングを考えるのがポイントです。飲みたい時には寝る3時間前までにし、長時間の飲酒は避けましょう。