クッシング症候群、デキサメタゾン抑制試験についてまとめました#病態・薬物治療#クッシング症候群#デキサメタゾン抑制試験.
3歳男子.新生児マス・スクリーニングで甲状腺機能低下症を指摘され,以来ホルモン補充療法を受けている.今回,病型診断のため来院した.甲状腺はびまん性に腫大し,軟らかい.甲状腺ホルモン投与中止後の検査は,FT4 0.4 ng/dL,TSH 56 μIU/mL,Tg 3 ng/mL,TgAb 0.5 IU/mL以下であった.甲状腺ヨード摂取率70%,パークロレイト放出試験は陰性であった.異常が最も疑われる遺伝子はどれか.
分泌刺激試験にはインスリン、CRH(コルチコレリン)、メチラポンなど、分泌抑制試験にはデキサメタゾンなどが用いられる。 ページトップへ戻る
副腎で合成・分泌されるコルチゾール(副腎皮質から分泌されるホルモンの一種)の作用が過剰になることで、体重が増えたり、顔が丸くなったり、血糖値や血圧が高くなったりという症状を引き起こす病気を「クッシング症候群」と言います。
副腎のコルチゾールの分泌を調節しているのは脳の下垂体から分泌されるACTHというホルモンです。このACTHが過剰になることでコルチゾールが過剰に分泌された状態を「クッシング病」や「異所性ACTH産生腫瘍(いしょせいさんせいしゅよう)」と言います。一方、コルチゾールが過剰でも特徴的な身体的徴候がみられないものを「サブクリニカルクッシング症候群」と言います。
1965年から1986年の調査では、日本全国で1年間に約100例と報告されていますが、CT検査など、調査機会が増えた昨今では頻度は増加傾向にあると考えられます。
副腎の良性腫瘍やがん、結節性過形成(けっせつせいかけいせい)、ACTHを過剰に分泌する「下垂体腫瘍(かすいたいしゅよう:内分泌に関わる下垂体と呼ばれる器官のなかで、その前葉と呼ばれる部分から発生する腫瘍)」「肺がん」などが原因として考えられます。また、コルチゾールと同様の作用をもつ薬剤によってクッシング症候群でみられる身体的徴候が起こることもあります。副腎腫瘍や結節性過形成の主な原因は、「遺伝子の変異が一部ある」と指摘されています。
注3:overnight 1 mgデキサメタゾン抑制試験(DST)を施行する。スクリーニング検.
29歳女性.出産後2カ月目から動悸と息切れが生じ,家族に前頸部の腫大を指摘されたため来院した.児に母乳栄養中である.身体所見:洞性頻脈84回/分,甲状腺腫大あり.血液所見:FT4 3.90 ng/dL,FT3>30 pg/mL,TSH 0.003 μIU/mL.本症例で鑑別診断をするために有用な検査はどれか.2つ選べ.
中心性肥満(手足は細いのにお腹に脂肪がつく)、満月様顔貌(顔が丸くなる)、野牛肩(背中の上部に脂肪がつく)、皮膚がうすくなる、腹部の赤色皮膚線条(赤い筋ができる)、体幹に近い部分の筋力低下、皮下溢血が特徴的な徴候です。このほかに、血糖値や血圧、コレステロールの上昇、骨粗鬆症、月経異常、うつ症状、感染症なども起こします。
デキサメタゾンによる前治療の実施を検討し、また、前投与を実施してください ..
新生児マス・スクリーニングでTSH高値のため先天性甲状腺機能低下症を疑われた男児.姉が先天性甲状腺機能低下症として加療中だが,両親に甲状腺機能低下症の既往はない.日齢10の静脈血検査で血清TSH 45 μIU/mL,FT4 0.7 ng/dL,サイログロブリン(Tg)95 ng/mL(基準3.8~56.3)だった.甲状腺超音波検査で甲状腺を正所性に認め,サイズは-1.4 SDだった.3歳までLT4補充療法を行ったうえで,一時休薬し甲状腺機能を再評価したところ,TSH 15.3 μIU/mL,FT4 1.0 ng/dLであり,LT4補充療法を再開した.この男児の先天性甲状腺機能低下症の原因遺伝子として最も考えられるものはどれか.
臨床的意義
17-OHCS(17-ヒドロキシコルチコイド)はステロイド骨格の17、21位にヒドロキシ基(-OH)、20位にケトン基(=CO)を有し、酸性下でフェニルヒドラジンと反応して呈色(Porter-Silber色原体)するステロイドである。副腎皮質束状層から分泌されるコルチゾール(F)は、代謝されて種々の代謝物として尿中に排泄される。Fの一部は、肝・腎で11β-デヒドロゲナーゼによりコルチゾン(E)となる。FとEは、肝で還元されてテトラヒドロ型(THF(5α型=allo型、5β型)、THE)となり、さらに肝で3位にグルクロン酸が抱合されて尿中に排泄される。副腎皮質から分泌されたFの30~40%がTHF、THEとして排泄され、尿中17-OHCSの大半を占めている。これらのほかに、遊離Fと、Fの前駆物質の11-デオキシコルチゾール(S)のテトラヒドロ型(THS)のグルクロン酸抱合物が、少量ではあるが尿中17-OHCSとして測定される。副腎皮質束状層からのFの分泌は間挿的(episodic)であるので、血中Fの値は採血時の血中濃度を示しているにすぎない。一方、尿中17-OHCS値は採尿時間内の副腎皮質からのFの分泌量を反映しているので、尿中17-OHCSの測定によって副腎皮質束状層の機能評価ができる。副腎皮質束状層はCRF-ACTHの支配下にあるので、尿中17-OHCSの測定は視床下部-下垂体前葉-副腎皮質系の機能検査に用いられている。一般に、24時間の尿中17-OHCS排泄量が用いられている。
異常値を示す疾患
高値疾患: Cushing症候群、甲状腺機能亢進症、11β-Ohlase欠損症、慢性アルコール中毒、重症うつ病、単純性肥満
低値疾患: 部分的Addison病、甲状腺機能低下症、肝硬変、腎不全、下垂体前葉機能低下症、ACTH単独欠損症、21-Ohlase欠損症、17-Ohlase欠損症、Addison病、医原性副腎不全
基準値: 男性 2.1~11.5 mg/day 女性 2.6~7.8 mg/day
採取容器:
デキサメタゾン抑制試験:健常者では、コルチゾールの類似物であるデキサメタゾン ..
デキサメタゾンの内服の方法には様々なやり方がありますが、慶應義塾大学病院では一晩法を採用しています。一晩法では、深夜23時に低用量の場合はデカドロン®1mg(2錠)、高用量の場合は8mg(16錠)を内服していただきます。そして、翌朝の8時~9時頃に血液検査を行い、コルチゾール濃度が低下するかどうかを検査します。入院中にこの検査を行う場合は、同時に蓄尿(ちくにょう)検査(24時間に排尿した尿をすべてバッグに貯める検査)を行って、尿中のコルチゾール濃度を参考にすることもあります。
関連項目
血中ACTH
負荷試験(デキサメタゾン、メトピロン、CRH、ACTH)
下垂体静脈洞カニュレーション
下垂体MRI
甲状腺機能検査
尿17-KS
尿THS
血中11-deoxycortisol
γ-GTP
脳CT
血中cortisol
肝機能検査
腎機能検査
下垂体前葉機能検査
トルコ鞍部X-P
K
血中17-hydroxyprogesterone
尿中pregnanetriol
血中11-deoxycorticosterone
デキサメタゾン抑制試験 [保] 1,200点(包) | 医学書院_医療情報サービス
デキサメタゾン抑制試験は、クッシング症候群(「」の項参照)が疑われた場合に行う検査で、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)は副腎(腎臓の上にある小さな内分泌臓器)で作られるコルチゾールの作用を強力にした内服薬です。
クッシング症候群の病態生理、治療薬、注意点 | 薬学まとめました
要約 胎盤で産生される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)は、ヒトの妊娠期間を制御する時計の一部である。母体血清のCRH存在量は、妊娠の進行に伴い指数関数的に増加する。グルココルチコイドは、非典型的(RelB/p52ヘテロ二量体を介した)核因子κB(NF-κB)経路の活性を促進することで、ヒト満期胎盤におけるCRH発現を刺激する。デキサメタゾンを用いてグルココルチコイド曝露を模倣することで、われわれは、後成的な切り替えが妊娠進行に伴うグルココルチコイド誘導性のCRH発現を媒介することを見出した。CRHプロモーターと会合するアセチル化ヒストンH3リジン9(H3K9)の量は、満期胎盤に由来する細胞栄養芽層のほうが中期胎盤に由来するものよりも多かった。リジン残基アセチルトランスフェラーゼCBPのノックダウンは、H3K9ヒストンアセチル化を低下させ、デキサメタゾン誘導性のCRH発現を抑制した。予想外なことに、ヒストン脱アセチル化酵素HDAC1のノックダウンまたはタイプIおよびII HDACの薬理学的阻害によっても、CRH発現が低下したが、H3K9および他のヒストン領域のアセチル化は増加した。CBPおよびHDAC1はいずれも、RelB/p52ヘテロ二量体との複合体においてCRHプロモーターで、相互依存的に結合したが、複合体のいずれかの要素を1つノックダウンすると、デキサメタゾン誘導性CRH発現に加えて、他の結合も阻害された。われわれの結果から、グルココルチコイドは、アセチル化を介した動的な後成的変化を開始させる、RelB/p52、CBP、およびHDAC1から成る転写複合体を誘導し、ヒト満期胎盤においてCRH発現を誘導することが示唆される。
代表的な検査として、メチラポン投与、デキサメタゾン抑制試験が行われます。
ACTHやコルチゾールは朝に最も高くなり、夜間は低くなるため、朝・夕方・寝る前に血液検査を行い、24時間尿中コルチゾール測定やホルモンの動きを確認します。また、寝る前に「デキサメタゾン」というコルチゾールの作用をもった薬を内服し、翌朝には採血を行い、血液中にコルチゾールが足りている状態でも副腎が必要以上にコルチゾールを分泌するかを確認します。
次に、副腎のCT検査で腫瘍の確認を行い、その腫瘍がホルモンを分泌しているかどうかを確認するため、「副腎皮質シンチグラフィ(131I-アドステロール)」という検査を行います。下垂体腫瘍が原因と言われているクッシング病が疑われる場合は、下垂体のMRIで腫瘍の確認を行い、その腫瘍がホルモンを分泌しているかどうかを確認するため、「下錐体静脈洞(かすいたいじょうみゃくどう)サンプリング」というカテーテルの検査を行います。クッシング病では下垂体腫瘍が小さく、特定できないこともあります。
その他、原因に応じて必要な検査を行います。
ような場合には,補充としてdexamethasone 0.25 ..
内分泌負荷試験には、分泌不全を疑う場合の分泌刺激試験と、ホルモン分泌過剰を疑う場合に行う分泌抑制試験の2種類がある。この項では、各種負荷試験を含めて内分泌機能検査の各論について述べる。
CRF(corticotropin-releasing factor)と同義語で,
クッシング症候群は手術での腫瘍摘出が第一の治療となります。副腎の良性腫瘍によるクッシング症候群は手術で根治が期待できます。副腎は左右に一つずつあり、片方を摘出し、もう片方の副腎がホルモン分泌を行いますが、その機能が十分になるまで手術後6カ月から1年以上はかかるため、その間は内服でホルモンを補います。手術後、満月様顔貌や中心性肥満などの症状は徐々に改善しますが、骨粗鬆症は完全には回復しないこともあります。
両側副腎の腫瘍や、下垂体腫瘍が小さく特定できないなど、「手術で取りきれない場合」や「手術を行うのが難しい場合」は、コルチゾールの合成を阻害する内服薬で治療する方法もあります。特徴的な徴候がみられない「サブクリニカルクッシング症候群」については、合併症に応じて手術を行うかどうかを判断します。
クッシング症候群を放置すると、重篤な感染症や心血管疾患のリスクが上がり、寿命が短縮すると言われています。「食事量は変わらないのに体重が増えてきた」や「手足はやせるのにお腹周りに脂肪がつく」といった症状のある方は、ぜひ当科にご相談ください。
Cushing症候群・副腎性 subclinical Cushing症候群の 診断と治療
内分泌疾患の診断は、血中、尿中の基礎値や産物の測定により行われる(参照)。しかし、内分泌系の調節はフィードバック機構などが関与するため、上位ホルモンと標的臓器ホルモンの基礎値だけでなく、その調節因子を組み合わせて測定することが必要になる。また、内分泌疾患は、単回測定で得られる検査結果のみでは正確な病態判断ができない場合がある。そこで、ホルモン分泌の動態を把握するために種々の負荷試験が行われる。
[PDF] クッシング病の診断の手引き(平成21年度改訂) 1
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(1) CRH 試験:ヒト (CRH 100 μg) 静注後の血中 ACTH 頂値が前値の 1.5 倍以上に
Cushing病と異所性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生腫瘍の鑑別において有用でない検査はどれか.1つ選べ.
内分泌機能検査|検体検査(血液検査) | 看護roo![カンゴルー]
○ 概要
1.概要
下垂体から分泌されるADH、ACTH、TSH、GH、LH、FSH、PRLの単独ないし複数のホルモン分泌障害あるいは分泌亢進により、主として末梢ホルモン欠乏あるいは過剰による多彩な症状を呈する疾患である。病因は、下垂体自体の障害と、下垂体ホルモンの分泌を制御する視床下部の障害及び両者を連結する下垂体茎部の障害に分類される。実際は障害部位が複数の領域にまたがっていることも多い。
全ての前葉ホルモン分泌が障害されているものを汎下垂体機能低下症、複数のホルモンが種々の程度に障害されているものを複合型下垂体機能低下症と呼ぶ。また、単一のホルモンのみが欠損するものは、単独欠損症と呼ばれる。一方、分泌亢進は通常単独のホルモンのみとなる。
2.原因
汎ないし部分型下垂体機能低下症では、脳・下垂体領域の器質的疾患、特に腫瘍(下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍など)、炎症性疾患(肉芽腫性疾患としてサルコイドーシス、IgG4関連疾患など、自己免疫性炎症性疾患としてリンパ球性下垂体炎など)、外傷・手術によるものが最も多い。分娩時大出血に伴う下垂体梗塞(シーハン症候群)の頻度は低下している。一方、単独欠損症はGHやACTHに多く、前者では出産時の児のトラブル(骨盤位分娩など)が、後者では自己免疫機序の関与が示唆されている。さらに抗PIT-1下垂体炎(抗PIT-1抗体症候群)など自己免疫で複合型の下垂体機能低下症をきたすこともある。まれに遺伝子異常に起因する例があり、POU1F1(PIT1; TSH、GH、PRL複合欠損)、PROP1(TSH、GH、PRL、LH、FSH複合欠損)、TPIT(ACTH)、GH1、GHRHR(GH)などが知られている。カルマン(Kallmann)症候群の原因遺伝子であるANOS1(KAL1)などの異常はLH、FSH欠損による先天性性腺機能低下症の原因となる。近年、頭部外傷、くも膜下出血後、小児がん経験者においても下垂体機能低下症を認めることが報告されている。
また、分泌亢進症に関しては、腺腫、上位の視床下部における調節機能異常などが挙げられる。
3.症状
欠損あるいは過剰となるホルモンの種類により多彩な症状を呈する。
4.治療法
基礎疾患に対する治療
原因となっている腫瘍性ないし炎症性疾患が存在する場合は、正確な診断のもとに、各々の疾患に対し、手術や薬物療法、放射線療法などの適切な治療法を選択する。
ホルモン欠乏に対する治療
下垂体機能低下症に対しては、欠乏するホルモンの種類や程度に応じたホルモン補充療法が行われる。下垂体ホルモンはペプチドないし糖蛋白ホルモンのため、経口で投与しても無効である。このため、通常、各ホルモンの制御下にある末梢ホルモンを投与する。GHやFSHのように、遺伝子組み換えホルモン等を注射で投与する場合もある。
以下に、ホルモンごとの補充療法の概略を示す。
dexamethasone/CRH test in a non-clinical population
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