※ただしコロナワクチンとの同時接種はコロナワクチン専用時間に行います。 ※1月 ..
アナフィラキシーを起こしやすいアレルゲンには、主に食物、昆虫、医薬品があります(下表)。
食物アレルギーの患者さんの約8割は子どもです。子どもの場合は、鶏卵、牛乳、小麦が、大人の場合は小麦、甲殻類、果物がアレルゲンとなることが多いのが特徴です。
また、アレルゲンとなる食物を食べただけでは何の症状も出ないのに、直後に運動することによって誘発される、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」もあります。運動で誘発されるアナフィラキシーを起こしやすいのは、特に小麦、甲殻類です。
昆虫では、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどに刺されたときに、アナフィラキシーを起こすことがあります。食物によるアナフィラキシーは、食後30分以上経ってから起こることが多いのに対し、ハチ毒によるアナフィラキシーは、刺された直後5〜10分以内に起こるため注意が必要です。
そして、最近増えているのが、医薬品によるアナフィラキシーです。長年使っていた薬で突然アナフィラキシーを起こすこともありますし、初めて用いた薬で起こることもあります。アナフィラキシーを起こしやすい医薬品には、βラクタム系(ペニシリン系、セフェム系など)やニューキノロン系などの抗菌薬(抗生物質)、解熱鎮痛薬、関節リウマチなどの治療に使う生物学的製剤などがあります。さらに、まれではありますが抗がん剤、アレルゲン免疫療法でも発症します。CT検査やMRI検査などの際に各臓器の血管の中を透視するために用いる造影剤で発症する患者さんもいます。解熱鎮痛薬や市販の風邪薬などでも服用後に運動をしたことによって、運動誘発アナフィラキシーが起こることがあります。
新型コロナワクチンの接種後に起こることがあるアナフィラキシーは、ワクチンに添加されているポリエチレングリコールという化学物質が原因だと考えられています。男性より女性のほうが、新型コロナワクチンによるアナフィラキシーを起こす頻度が高いのは、ポリエチレングリコールが一部の化粧品に含まれていることと関連している可能性があります。
ただ、新型コロナワクチン接種会場では、アナフィラキシーに対応する体制を整えています。接種後にアナフィラキシーを起こしたとしても、すぐに治療をすれば大事に至ることはありません。過去に薬や予防注射などでアナフィラキシーを起こしたことがあるなど心配な人は、より迅速に緊急対応ができる医療機関で接種するようにするとよいでしょう。
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舌・口蓋垂の腫脹や刺激感、目のかゆみ・眼瞼腫脹、くしゃみ・鼻汁・鼻のかゆみ・鼻閉などの鼻炎症状。アレルギー性鼻炎患者は明らかな症状の増強)が出現した場合は、 ヒスタミン H1 受容体拮抗薬を内服することが推奨されます。咳などの軽度の気道症状には、短時間作用型β2受容体刺激薬の吸入が有効です。症状が改善するまで慎重に観察し、症状が改善せず、増強し、アナフィラキシーの診断を満たさないかを充分観察する必要があります。② 2回目の接種について
米国CDCでは、新型コロナワクチンの接種後すぐにアレルギー反応があった場合は、たとえそれが緊急治療を必要とするアナフィラキシーほど深刻でない場合でも、そのワクチンの2回目の接種を受けるべきではないとしています。
厚労省からの自治体説明会の資料(2021年4月12日)では、新型コロナワクチンの1回目接種で、アナフィラキシー以外の即時型のアレルギー反応を起こした方については、接種を見合わせるか、重度の過敏症発症時の十分な対応ができる体制のもとで接種を行うかを、慎重に判断する必要があるとしています。 ちなみに、モデルナアームは、遅延型アレルギー(IgGを介したアレルギー反応)の一種ではないかと考えられています。現時点では、重症の即時型アレルギーであるアナフィラキシーとは関連がないとされているため、仮に1回目の接種でモデルナアームが生じた人でも、2回目は予定通りのスケジュールで接種して問題ないと言われています。
また、米国Krantzらよる興味深い報告があります。ファイザー製またモデルナ製ワクチンの初回接種時にアナフィラキシーまたは遅発性のアレルギー反応を経験した被接種者において、2回目接種の安全性を検証するため投与耐性について調査を行った結果、2回目の接種を受けた患者の20%で軽度の症状が報告されたが、2回目接種を受けたすべての患者が安全に一連のワクチン接種を完了したことを明らかにしました。参加者のうち159例(84%)が2回目の接種を受け、前投薬として47例(30%)に抗ヒスタミン薬を投与しています。同氏は「今回の報告は初回投与後にアナフィラキシーや遅発性のアレルギー反応を報告する患者に対し、ファイザー製またはモデルナ製ワクチンの2回目の投与の安全性を支持する。初回投与後に反応を示した多くの被接種者がすべて真のアレルギー反応ではないか、または非IgE依存性アレルギー反応だったため、症状が前投薬で軽減できた」と述べています。
Krantz MS, Kwah JH, Stone CA, et al.
新型コロナワクチンの副反応らしい症状を報告することは、国内で使用される新型コロナワクチンの厳重な安全性モニタリングに役立ちます。