GLP-1受容体作動薬の効果を超えるマンジャロという薬剤について
中野駅南口からすぐのところで開業している糖尿病専門医の大庭健史です。当クリニックのホームページの「」でも簡単にお話しさせていただきましたが、今回はGLP-1受容体作動薬の効果を超える新たな糖尿病治療薬であるマンジャロ(チルゼパチド)について、より詳しくお話させていただきます。
マンジャロは注射薬であり、週1回の投与となるため、消化器系の副作用はリベルサスよりも軽減されることが期待されています。 まとめ
オゼンピックの主な効果として、食欲抑制、満腹感の持続、体重減少効果が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
米イーライリリーは今月2日、2023年第3四半期(1~9月期)決算を発表し、GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」(一般名・チルゼパチド)の世界売上高が29億5770万ドル(約4500億円)に達したことを明らかにしました。22年6月に世界で初めて米国で発売されて以降、飛躍的に市場を拡大させています。糖尿病領域世界トップのノボノルディスク(デンマーク)も同日、GLP-1受容体作動薬「オゼンピック」の23年第3四半期の世界売上高が656億5300万デンマーク・クローネ(約1兆4300億円)に達し、為替変動の影響を除いて前年同期から58%増加したと発表しました。
話題のGLP1ダイエット(オゼンピック、リベルサス、ビクトーザ、マンジャロなど)について医師の伊勢呂の実体験を伴って解説した動画です。
今回は、2型糖尿病の治療薬として注目されるGLP-1受容体作動薬、リベルサス(セマグルチド)とマンジャロ(チルゼパチド)の比較を行います。これらの薬は血糖値のコントロールだけでなく、体重減少効果も大きな話題となっています。リベルサスとマンジャロの違いや、それぞれの効果について詳しく解説します。
マンジャロは、GLP-1受容体だけでなくGIP 受容体にも作用することから、GLP-1受容体作動薬よりもHbA1cと体重の改善効果が高いとされています。この効果は、肥満の人が多い欧米はもちろんのこと、比較的肥満の少ない日本人を対象とした臨床研究でも同様の結果が得られています。
マーチクリニックでは医療ダイエットにて新しい糖尿病治療薬「マンジャロ」をはじめ、リベルサスやルセフィのお取り扱いを開始しました。
ただ、生理的なはという酵素によって瞬時に分解されてしまいます。受容体作動薬は、に対して抵抗性を有する構造を有しているため分解されにくく、注射製剤としてエキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、セマグルチドなどのような毎日打つ製剤、週回打つ製剤、基礎インスリンと受容体作動薬の合剤など多くの種類があります。年月、世界初の経口の受容体作動薬であるリベルサスが発売され、注射製剤に抵抗があり受容体作動薬を導入できなかった方にも使用できるようになりました。さらに、マンジャロは、既存のGLP-1受容体作動薬と違い、GLP-1だけでなくGIPの受容体にも作用する薬剤です。従来のGLP-1受容体作動薬の作用に加え、GIP受容体を刺激する作用が上乗せされることにより、既存のGLP-1受容体作動薬と比較しても、血糖及び体重減少作用の効果が強いという臨床試験のデータが出ています。当院では、2024年3月16日、第243回日本内科学会近畿地方会にて、全国に先駆けてマンジャロの有効性と安全性に関して学会発表をさせていただきました。
オゼンピックの使用頻度は週1回で、1本の中に数回分の薬液が入っているため、自分で単位を調整することが可能です。また、個人差はありますが、マンジャロ2.5mgと同等の効果が0.5mgで得られると言われているため、コストパフォーマンスにも優れています。
マンジャロ(GIP/GLP-1 受容体作動薬)のダイエット効果について
これまでは主に2型糖尿病の薬として使われてきたGLP-1薬ですが、研究によってさまざまな働きをもつことが分かってきました。
2023年4月には新しいタイプの薬としてGIP/GLP-1受容体作動薬の「マンジャロ」が国内で販売され、強い体重減少効果が期待できるとして注目を集めています。
横浜市立大学附属病院の研究グループから報告された18個の質の高い臨床研究をまとめて解析した論文によると、マンジャロの最大容量である15 mgを使用すると、HbA1cは2.83%、体重は9.46 kg減少したと報告されています。これは、GLP-1受容体作動薬の中で最も効果が高いとされるオゼンピック(セマグルチド)の最大容量である1 mgでのHbA1c 2.30%、体重 4.39 kg減少を上回っています。さらに、内服のGLP-1受容体作動薬であるリベルサス(セマグルチド)の最大容量である14 mgでのHbA1c 1.60%、体重 2.62 kg減少をも上回っています。()
リベルサスから注射タイプのオゼンピックやマンジャロに切り替える場合、リベルサスを服用後24時間以上経過後であれば使用可能です。
マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬というタイプの2型糖尿病の新薬です。
マンジャロのダイエット効果についての詳細は「」をご覧ください。
マンジャロ(高い減量効果をもつ糖尿病治療薬)が2023年4月に発売!
マンジャロは、新しいタイプのGLP-1受容体作動薬で、週1回の注射として投与されます。リベルサスと異なり、マンジャロはGLP-1受容体に加え、GIP受容体にも作用します。この二重作用により、血糖値のコントロールと体重減少の両方において強力な効果が期待できます。
マンジャロ(高い減量効果をもつ糖尿病治療薬)が2023年4月に発売! ..
▽「ビクトーザ」(ノボノルディスクファーマ)▽「トルリシティ」(日本イーライリリー)▽「オゼンピック」(ノボ)▽「リベルサス」(ノボ)▽「マンジャロ」(リリー)――のGLP-1製剤5製品の処方患者数を見ると、20年5月まではトルリシティとビクトーザの2剤が市場を分け合う構図で、全体の6割をトルリシティが占めていました。
オゼンピック(セマグルチド)とマンジャロ(チルゼパチド)の比較
オゼンピックは、2型糖尿病の治療薬として使用されるGLP-1受容体作動薬のひとつです。体重管理にも効果があることから、ダイエット薬としても注目されています。
infoでは、医薬品、薬物治療に関する情報を配信しています【動画の概要】 オゼンピック(セマグルチド)とマンジャロ ..
GLP-1受容体作動薬については、トルリシティ(デュラグルチド)がREWIND試験、ビクトーザ(リラグルチド)がLEADER試験、オゼンピックがSUSTAIN6試験で心血管イベントの抑制効果を示しています。また、GLP-1受容体作動薬の腎保護作用についても多数報告されています。
糖尿病治療薬マンジャロ_GIPGLP-1受容体作動薬でやせる・ダイエットとは ..
リベルサスは経口薬で、毎日1回服用する必要があります。一方、マンジャロは週1回の注射で済むため、注射に抵抗がない方には便利な選択肢です。
infoでは、医薬品、薬物治療に関する情報を配信しています【動画の概要】 2型糖尿病に用いられるオゼンピック皮下注とリベルサス ..
マンジャロは世界初の週1回投与の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。GIPは主に小腸上部のK細胞から、GLP-1は小腸下部のL細胞から分泌されます。GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌促進作用に加え、食欲中枢に働きかけ食欲を抑えたり、胃内容排出遅延作用により、血糖低下だけでなく体重を減少させる効果があります。一方で、GIPはGLP-1と同様にインスリン分泌促進作用はありますが、生理的な濃度では脂肪細胞に作用して体重増加を引き起こすことが知られています(図1)。
ダイエットの新薬【マンジャロ】は痩せる?効果と副作用、注意点を解説
GLP-1に加えGIP作用を持つマンジャロは、非常に高い体重減少効果が期待できる注射薬です。ただし、1本に1回分の量しか入っていないため、1回あたりの投与量を調節できません。オゼンピックよりも経済的な負担が大きくなる場合があります。
GLP-1ダイエットの違いは?注射と飲み薬はどっちが痩せるの?
一方で、マンジャロについては2023年12月現在、心血管イベントの抑制効果や腎保護効果に関する報告はまだありません。ただし、マンジャロは血糖改善と体重改善効果においてGLP-1受容体作動薬を上回ることが示されています。そのため、心血管イベントの抑制効果や腎保護効果がある可能性は高いと考えられます。
投与後は血糖値の変動(高血糖、低血糖)を含め、十分な経過観察をお願いいたします。 [略語].
そこに割って入ってきたのが、同じセマグルチドを有効成分とする注射剤のオゼンピックと経口剤のリベルサスです。オゼンピックは発売1年後から一気に患者数を増やしましたが、製造委託先のGMP上の問題で22年から出荷を調整・停止し、一時的に低迷。代わって台頭したのがリベルサスで、今年6月には処方患者数トップに躍り出ました。オゼンピックも、薬価未収載だった複数回使用可能な2mg製剤を急遽発売したことで勢いを取り戻したようです。
マンジャロの方が吐き気は感じにくいか?大阪の美容皮膚科医が解説
両者ともに体重減少に効果的ですが、マンジャロはGIP受容体にも作用するため、より大きな体重減少が期待されています。
10mgアテオス · (販売元:田辺三菱製薬㈱) ; リベルサス®錠 3mg
しかし、薬理学的な濃度のを投与することで、食欲抑制を介して体重を低下させることが分かり、単独よりも体重減少効果の強いマンジャロが開発されました。
また、食後のインスリン分泌に関して、約割をとが担い残りはグルコース、そのうち分のをが担うことが分かっており、血糖低下作用に関しても、単独よりもマンジャロの方が強くなります図。
[PDF] GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1 受容体作動薬の適正使用について
マンジャロの副作用は、GLP-1受容体作動薬と同様、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状が比較的多く報告されています。トルリシティと比較すると副作用は多いものの、GLP-1受容体作動薬の中で最も効果が高いとされるオゼンピックとは副作用の差がないと報告されています。
GLP-1(リベルサス)・SGLT2阻害薬(カナグル)のダイエット
リベルサスはGLP-1受容体のみに作用しますが、マンジャロはGLP-1とGIPの二重作用を持ち、これが血糖値管理と体重減少の効果に違いをもたらしています。
マンジャロ (日本イーライリリー), マンジャロ皮下注2.5mgアテオス (先発品), 1924円/キット
リベルサスとマンジャロはどちらも2型糖尿病の治療薬として優れた効果を持っていますが、選択は患者様のライフスタイルや治療ニーズにより異なります。例えば、注射を避けたい方にはリベルサスが最適ですし、より強力な体重減少を求める場合はマンジャロが有力な選択肢となります。