[PDF] 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド錠
そのような前立腺肥大症の症状には「デュタステリド」が効果的な治療薬として用いられています。
効能・効果前立腺肥大症用法・用量通常、成人にはデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口投与する。
6,729 例が前立腺の生検あるいは手術を受けた.そのうち前立腺癌が発見されたのは,デュタステリド群 3,305 例中 659 例であったのに対しプラセボ群 3,424 例中 858 例で,4 年間の試験期間でデュタステリドによる相対リスク減少率は 22.8%(95%信頼区間 15.2~29.8)であった(P<0.001).試験 1~4 年目を通して,針生検を受けた 6,706 例で発見されたグリーソンスコア 7~10 の腫瘍数は,デュタステリド群では 3,299 例中 220 個,プラセボ群では 3,407 例中 233 個であった(P=0.81).しかし,3~4 年目に発見されたグリーソンスコア 8~10 の腫瘍数は,デュタステリド群で 12 個であったのに対し,プラセボ群では 1 個のみであった(P=0.003).デュタステリド療法により,プラセボと比べて急性尿閉の発生率が減少した(1.6% 対 6.7%,相対リスク減少率 77.3%).有害事象の発生率は,良性前立腺肥大に対するデュタステリド療法に関する先行研究と同程度であったが,複合カテゴリーとした「心臓機能不全」の相対発生率は,先行研究と比較してデュタステリド群のほうがプラセボ群より高かった(0.7% [30 例] 対 0.4% [16 例],P=0.03).
5α還元酵素阻害薬デュタステリドは肥大した前立腺を小さくして、尿の出を良くするお薬で、「尿が出にくい」「尿が出きらない」「尿がためられない」などの症状を改善します。また、.尿閉(尿が出なくなる)を起こす可能性が少なくなり、手術療法を行う可能性が少なくなります。
前立腺肥大症治療薬デュタステリドが前立腺がんの発症リスクを減少させる
前立腺肥大症は男性ホルモンに依存して進行することが知られています。
5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)は血液中の男性ホルモン(テストステロン)が、前立腺組織に作用するのを抑える作用を持ちます。 血液中のテストステロンが前立腺細胞に取り込まれると、5α還元酵素の作用によりジヒドロテストステロンに変換され、このジヒドロテストステロンが前立腺細胞の増殖に働きます。5α還元酵素阻害薬は、前立腺細胞の中でテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素の作用を抑えることにより、前立腺細胞の増殖を抑制し、その結果肥大した前立腺が縮小します。この薬を長期間服用することにより肥大した前立腺が縮小して、排尿困難の症状を改善します。
4 年間の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験において,デュタステリド 0.5 mg/日をプラセボと比較した.50~75 歳で,前立腺特異抗原(PSA)値が 2.5~10.0 ng/mL,かつ登録前 6 ヵ月以内に行った前立腺生検(6~12 ヵ所)が陰性であった男性を適格とした.2 年後と 4 年後に経直腸的超音波ガイド下 10 ヵ所生検を実施した.
薬効分類名, 5α還元酵素阻害薬、前立腺肥大症治療薬, 日本標準 商品分類番号, 87249, 規制区分, 劇薬、処方箋医薬品
前立腺体積30mL以上の前立腺肥大症患者を対象とした二重盲検比較試験(1日1回24週間経口投与)において、用量依存的な前立腺体積の減少が認められています。 本剤0.5mgの投与を受けた70例の患者さまで、投与前の前立腺体積が平均45.4MLから34.6MLに減少していまし、変化率が−25.3%であったと報告されています。
前立腺が縮小することにより、排尿状態の改善、頻尿の改善が期待できます。
また、デュタステリドは、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの量を減少させます。PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーです。デュタステリドその影響を考慮することにより、アボルブを服用中であっても、PSA検査を通常通り行うことが可能です。ただし前立腺癌の治療薬ではないので注意が必要です。
近年の報告で、遊離テストステロンと総テストステロンの男性ホルモンをともに上昇させるといった報告もあります。
前立腺癌のリスクが高い男性では,デュタステリドにより生検で発見される前立腺癌の発症リスクが低下するかどうかを調査する目的で,今回の研究を行った.
5α還元酵素阻害薬による前立腺肥大の治療 (JIM 20巻4号) | 医書.jp
重大な副作用として肝機能障害が言われていますが、頻度は1.5%程度です。きつかわクリニックでは内服後2-3ヶ月を目安に採血で一度肝障害の有無の確認をおこなっています。
また、メーカーより本剤0.5mgでの副作用は、リビドー減退4%(3/71例)、勃起不全3%(2/71例)及び射精障害3%(2/71例)とも発表されております。
副作用として総精子数、精液量及び精子運動率への影響も記載があります。また、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)が起こることもあります。 本剤0.5mg/日の精液特性に対する影響を評価した。投与52週目における総精子数、精液量及び精子運動率の投与前値からの平均減少率(プラセボ群の投与前値からの変化で調整)は、それぞれ23、26及び18%であり、精子濃度及び精子形態への影響は認められなかった。本剤群における総精子数の投与前値からの平均減少率は、24週間の追跡期間後においても23%のままであった。 また、本剤群の27例中2例において、投与52週目に投与前値から90%を超える精子数の減少が認められたが、追跡24週目には軽快した、とも発表されております。
きつかわクリニックでは、妊孕性にかかわる年代の患者さまに本薬剤の処方はおこなっておらず、射精障害などにも十分考慮をおこなっております。
前立腺肥大症は、前立腺が異常に肥大化し尿道を圧迫することで頻尿や排尿困難といった排尿障害を引き起こす疾患であり、中高年の男性に多く見られます。前立腺の肥大化には男性ホルモンが関与していると考えられていますが、実はこの男性ホルモンが、男性型脱毛症の原因にも関係していたジヒドロテストステロンなのです。デュタステリドがテストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの生成が抑制され、前立腺の肥大化を抑え、排尿障害の症状を緩和します。なお、デュタステリドを前立腺肥大症に用いる場合、服用初期に効果が認められる場合もありますが、通常6ヶ月間の服用が必要とされています。
[PDF] 5 α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド製剤
男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)は、成人男性に多く見られる、髪の毛が次第に薄くなっていく疾患で、一般的に頭頂部や前額部から起こるとされています。髪の毛の成長には毛根に存在する毛乳頭細胞が重要な役割を果たしていますが、男性型脱毛症の発症には、この毛乳頭細胞へのジヒドロテストステロン(DHT)の過剰な作用が関与していると考えられています。ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種で、毛髪の成長サイクルを短縮させ、毛髪の細くなる「ミニチュア化」を促進します。デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害します。このため、体内のジヒドロテストステロンの生成が抑制され、男性型脱毛症の進行を遅らせる効果が期待できます。
お薬は前立腺がんがあっても、 服用開始6ヵ月後にPSA値を約50%減少させる作用が
北海道旭川市にある泌尿器専門のクリニックです。頻尿・前立腺や膀胱の病気・失禁・夜尿症などの検査・治療ができます。お子さんから大人までご相談いただけます。
このお薬は、前立腺肥大症の治療に使われます。 肥大した前立腺を少しずつ小さくするお薬ですので、主治医の指示. を守って飲んでください。
注1)前立腺肥大症に伴う排尿の症状を総合的に評価する症状スコアー。35点満点。
注2)頻尿や尿意切迫感などの過活動膀胱症状を評価する症状スコアー。15点満点。
[PDF] 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリドカプセル
前立腺肥大症による排尿困難や頻尿などの症状は、日常生活にも支障をきたし、大きなストレスにも繋がります。
前立腺が肥大していない患者における有効性及び安全性は確認されていない。[国内臨床試験
【おわりに】
デュタステリドは、
1)従来薬で十分な効果が得られない、
2)前立腺肥大症が大きすぎて手術するしか方法がない
といった患者さんに今までになかった治療を提供しうる新薬です。
私たちは、この新しい薬を前立腺肥大症治療の新たな選択肢としてお勧めしていきたいと考えています。
当院で発売当初よりデュタステリドによる治療を受けた患者さんたち9症例の半年後の実際の治療効果を上に3つのグラフに示します。治療前と治療後(6か月後)を比べてみると、エコー検査での前立腺容積は平均で約3割縮小していました。排尿に関する自覚症状についても、国際前立腺症状スコアー(注1 )と過活動膀胱症状スコアー(注2)のいずれにおいても改善傾向が認められました。一方で2名の患者さんでアボルブの副作用が認められました(①内服1か月目で全身倦怠感発生、②内服7か月目で乳房痛発生)。いずれの副作用も軽症で内服中止によって速やかに改善しました。このような当院における経験からも、デュタステリドは前立腺肥大症において有効かつ安全な治療薬を言えるでしょう。
このお薬は、前立腺肥大症治療薬です。 ◇ 温度と湿度にご注意ください。 ◇ 高温、直射日光、湿気、水蒸気を避けて保管して.
デュタステリドは、前立腺肥大症の進行を抑制し、排尿症状の改善が期待できる「5α還元酵素阻害薬」です。
効果、副作用、前立腺がん予防まで徹底解説!AGA治療との関連性
本記事では、デュタステリドの前立腺肥大症の症状に対する効果について泌尿器科専門医が詳しく解説します。
素阻害剤のデュタステリドを服用している男性の前立腺癌リスクに及ぼす影響を明らか
【PSA検査を行うにあたって】
デュタステリドは前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を低下させます。
これはデュタステリド内服中に前立腺癌になりにくくなるわけではなく、逆に前立腺癌が発生した際に見落とされ、治療が遅れて悪化してしまう可能性を含んでいます。このためデュタステリドは泌尿器科専門医の監視の元で使用されることが勧められます。
α還元酵素阻害剤(デュタステリド:アボルブ) : 高悪性度の前立腺癌を
デュタステリドがどのように前立腺肥大症の症状を改善するのか、代表的な薬の副作用についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
5α還元酵素阻害薬のうち、前立腺肥大症に対して処方された際に保険適用となるのはデュタステリドのみです。 その他の内服薬
医薬品が体内で効果を示す仕組みは多種多様ですが、一種類の医薬品が単一の働きをするとは限らず、「ひとつの薬なのに、まるで異なる疾患に効く薬」があります。
今回は、「男性型脱毛症」と「前立腺肥大症」という、部位も症状も全く異なる疾患に対して効果を示すデュタステリドについて説明します。デュタステリドは承認された効能・効果により商品名が異なり、男性型脱毛症に適応があるものが「ザガーロ(デュタステリドZA)」、前立腺肥大症に適応があるものが「アボルブ(デュタステリドAV)」として販売されています。
・この薬は、テストステロンを、前立腺肥大に関与する主なアンドロゲンである
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など
前立腺肥大症や男性型脱毛症の治療に用いられる5α還元酵素阻害薬(5-ARI) ..
しかしこのようなデュタステリドによる前立腺縮小効果には限界があると考えられ、デュタステリドで十分な治療効果が得られない場合や、尿閉などで治療を急ぐ場合には今でもやはり手術治療が必要となる場合があります。
デュタステリド濃度を検討した。本剤を反復経口投与したときの前立腺組織中のデュタステリド濃度は血
デュタステリドは、前立腺肥大症の進行を抑制し、排尿症状を改善する「5α還元酵素阻害薬」です。
[PDF] 前立腺肥大症に対する5α還元酵素阻害薬の有用性に ついて
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5α還元酵素という酵素によってジヒドロテストステロンに変換されます。このジヒドロテストステロンが前立腺細胞の増殖を促進し、前立腺肥大症を引き起こす要因の一つです。