高齢者における睡眠障害の要因を図 1 に示した. 高齢者では,心疾患,慢性肺疾患 ..


『メラトニン』は、私たちの体内で合成されるホルモンの一つで、一般に「体内時計」と呼ばれている〝体のリズム〟を整える働きをしています。人だけでなく、すべての脊椎動物の体内で分泌されている物質で、特に、睡眠と覚醒に影響を与えていることで知られています。
メラトニンの血中濃度は夜間になると上昇し、これが、人が「休息をとる」「睡眠をとる」というシグナルになります。ちなみに、夜行性の動物にとっては「活動を始める」というシグナルとして伝わっているそうです。
さらに、近年の研究でメラトニンには『抗酸化作用』があることもわかってきました。人の体内で起こる酸化は、「活性酸素」の悪影響によって体が錆びているような状態になり、がんや生活習慣病などの原因となってしまう状態です。抗酸化作用は、この活性酸素を抑えてがんの予防や生活習慣病の改善を促す働きで、美容に着目したエイジング対策としても期待できるものです。


[PDF] 高齢者における睡眠障害と認知機能および睡眠改善技術

睡眠不足が続くと、日中の生活に影響するだけでなく、体の不調を引き起こすことにもなりかねません。この記事では、高齢者が眠れない原因と、その改善方法を解説します。

しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。

高齢者の睡眠障害(上) なぜ寝つき悪い? メラトニン低下でリズム乱れ 物音や尿意で覚醒.

高齢になると、眠れないという悩みを抱える方が多くなるもの。60歳を過ぎると、半数以上の方に何らかの不眠症状が表れるとされています。
睡眠に何らかの問題がある状態を「睡眠障害」といい、その中で最も多いのが不眠症です。眠れない体験は誰もがありますが、「夜間の不眠が続く」「日中に心や体の不調を自覚し、生活の質が低下する」という2つの症状が認められた場合は、不眠症と診断されます。

そもそも、眠れなくなってしまう原因とはどのようなものなのでしょうか?いくつかの原因が考えられますが、なかには高齢者特有のものもあります。

これらを踏まえ、本ガイドでは、ライフステージごと(成人、こども、高齢者)に睡眠に ..

生活習慣病や基礎疾患が原因で不眠になる方もいます。
たとえば、糖尿病は血糖値を下げるインスリンの分泌不良により血糖コントロールが難しくなる症状です。夜間の血糖値が安定せず血糖変動が激しいと、空腹感や気分不良などで中途覚醒になることも少なくありません。
他にも狭心症などの基礎疾患があり、夜間胸の締め付け感や呼吸のしづらさで寝付けない・途中で目覚めてしまうなどもあります。
このように生活習慣病や基礎疾患が不眠を助長することも十分考えられるのです。

現在、日本人の40~59歳では約5人に1人が、60歳以上では約3人に1人が、何らかの睡眠障害を抱えているそうです。確かに、夜型の現代社会は、コンビニや飲食店などの「24時間営業」は当然という時代に突入しており、街には深夜まで煌々と灯りがともっています。また、就寝直前までテレビやパソコンに触れ、ベッドに入ってからもスマートフォンを見ている人は多いようです。
先述のとおり、メラトニンの分泌は、夜になってから=太陽光がなくなってから始まります。自然の流れでは太陽が沈んでいる時間帯なのに、蛍光灯やブルーライトといった人工的な光を断続的に浴びることにより、体のリズムが乱れることは、想像に難くありません。
このことが原因でおこる不眠症は、体内時計がずれる「リズム障害」とも言われています。現代では10代~20代の若い世代にも当然起こりうる不眠障害・リズム障害ですが、メラトニンの分泌量が激減している50代以降の中高年の方々には、少しでも回避したい問題であり、質の良い睡眠をとるための重要なポイントです。

CiRA、新型コロナワクチンのブースター接種が高齢者の免疫応答に与える影響を解明.

認知症には多くの種類がありますが、認知症患者全体の60%以上を占めているのが『アルツハイマー型認知症』です。アルツハイマー型認知症は、脳の〝老廃物〟〝ゴミ〟と考えられている物質「アミロイドβ」の増加が関係しています。このアミロイドβは睡眠中に排出されるので、睡眠の質が下がると増加・蓄積し、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まったり、すでに発症している場合は、進行が加速してしまったりということも考えられます。
しかし、メラトニンの分泌を促し、睡眠の質や量をコントロールしていくことにより、認知症の危険因子であるアミロイドβの排出や蓄積を軽減することが期待できます。
冒頭でふれたように、抗酸化作用もあるため、エイジング対策のサポートにもなり得るものです。
年を重ねても、体内でできるだけ多くのメラトニンが作られるよう、日常的に工夫してみましょう。

2つ目は、メラトニンが日中に抑制されていると、夜間のメラトニンの分泌量が増えます。不眠で悩んでいる高齢の方に対して光を日中に照射すると、健康な高齢者以上にメラトニンが分泌されます。


特集 高齢者の睡眠―基礎から臨床まで― オレキシンと睡眠障害,認知症の関連について アデノシンと睡眠 メラトニン ..

人間は睡眠中、浅い睡眠のレム睡眠と深い睡眠のノンレム睡眠が交互に起こっていますが、高齢者はノンレム睡眠の時間が短くなっていきます。

眠りを促す働きがあるメラトニンの分泌量が加齢にともなって減少することも関係しています。 【参考記事】 不眠症. 症状の種類と特徴について。

高齢者の睡眠の特徴や高齢者に多い睡眠障害について解説します。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

入眠困難になる原因は、活動時間の減少やホルモンの分泌能力の低下です。特に定年を迎えると自宅で過ごす時間が増えて、日中の活動量が減った結果、睡眠を誘発しづらくなります。
中途覚醒が増える理由は、加齢とともに眠りが浅くなることです。その結果、睡眠中の光や物音などの外的刺激に敏感になり、目覚めやすくなります。また、トイレが近くなることも中途覚醒を促す原因でしょう。
基本的に体調不良などの症状がなければ、様子観察で問題ありません。ただし、体調不良が3か月以上続くなら不眠症治療も含めて、一度医療機関に相談することをオススメします。

メラトニンは睡眠だけでなく、様々な身体の機能に影響を与えています。ここでは精神科医が、メラトニン ..

なお、高齢者に多い睡眠障害としては不眠症のほかにも、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス(むずむず脚)症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動障害といったものがあります。

Mishima K et al (2001) J Clin Endocrinol Metab

時差ぼけ、およびなど、睡眠障害の症状を改善するために、使われることがあります。一方、子どもでは、ADHD、自閉症スペクトラムなどのに合併する入眠困難の治療にも使われています。

メラトニンの低下やノンレム睡眠の減少など眠れなくなる一番の理由は、脳で分泌される睡眠 ..

慢性的な睡眠不足は、2型糖尿病や高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクを高めます。
たとえば、睡眠不足になると食欲を抑えるレプチンと呼ばれるホルモンが減り、食欲を高めるグレリンと呼ばれるホルモンの分泌が増えます。結果として過食による肥満傾向、糖尿病や高血圧などになりやすくなるでしょう。
厚生労働省によると、成人の適正な睡眠時間は「6〜8時間」です。7時間前後の睡眠時間を確保できている人が、生活習慣病やうつ病の発症および死亡リスクが最も低いこともわかっています。
健康で過ごせる睡眠時間に調整することも不眠症の発症・悪化を防ぐ対策として重要です。

メラトニン | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]

高齢者が眠れない原因のひとつに、睡眠の質の低下が挙げられます。睡眠は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を交互に繰り返しており、ノンレム睡眠が多いほど睡眠の質が高まります。

(めらとにん)とは、脳の松果体で合成されるホルモンである。睡眠 ..

加齢とともにホルモンの分泌能力が低下します。
特に入眠を促すメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌量が低下すると、体内時計の乱れや入眠困難による不眠症に悩まされます。メラトニンは脳内の松果体で生合成される入眠を促すホルモンであり、光刺激によって分泌量が変化します。
たとえば、朝日を浴びると日中分泌が抑制され、夜間にかけて分泌量が増加していき入眠が促されます。そのため、メラトニンの分泌能力が低下すると体内時計がズレてしまい、寝たい時に寝れなくなるのです。

第6回 睡眠障害のメカニズムについて(サーカディアンリズムなど)

生理的・身体的な要因で不眠症になることも高齢者の特徴です。
たとえば、加齢変化で膀胱に溜められる尿量が減ると、夜間頻尿になります。特に加齢とともに「再々トイレにいくものの少ししか排尿がない」「尿を我慢できなくなった」などの自覚症状があれば、夜間頻尿による中途覚醒のリスクが高いでしょう。
この他にも、腰痛をはじめとする身体的な要因も不眠症を発症する原因です。特に腰痛持ちの高齢者は多く、一度痛みで覚醒すると再入眠が難しく、繰り返し覚醒するなど満足のいく睡眠が得られない恐れがあります。

メラトニン(Melatonin)は睡眠や覚醒のリズムを調節する ..

高齢者の睡眠の特徴や睡眠障害について、睡眠トラブルを解決して質の良い十分な睡眠をとるための対処法などをご紹介します。

メラトニンとは何ですか? | 名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科

このようにメラトニンが減少してしまうので、年をとると眠りが浅くなってしまうのです。メラトニンを増やすことは子供ではあまり意味がありませんが、高齢者の方では効果が期待できるのです。

2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。 ..

不眠で悩んでいる高齢者に光を日中に照射すると、健康な高齢者以上にメラトニンが分泌されることが報告されています。

Attenburrow ME et al (1996) Psychopharmacology

日中の活動量が少なくなってしまうことも、高齢者が眠れない原因になります。睡眠の役割は、日中に活動した脳や体を休ませ、疲労を回復することです。そのため、日中の活動量と運動の強度は、眠りの必要量と質に影響します。加齢に伴って日中の活動量が少なくなると、あまり疲れが溜まりません。すると、若い頃よりも短い睡眠で回復できるので、結果的に睡眠時間も短くなってしまうのです。

メラトニンは直接的に睡眠作用を持つほか、概日リズム(体内時計)に深く ..

高齢者には早寝早起きの人が多いのですが、これは実は加齢によって睡眠の質や形が変化することで起こります。

別のメタアナリシスでは,メラトニンは二次性睡眠障害(睡眠制限による二次 ..

高齢者が眠れない原因には、寝床で過ごす時間(床上時間)が長いこともあります。眠気がないうちから寝床に入ると寝付きが悪くなり、うとうとしている時間が増えて睡眠の満足度が下がってしまうのです。
厚生労働省の「」では、高齢者の床上時間が長くなる傾向があることが指摘されています。さらに、床上時間が必要以上に長いと、寿命を縮めるリスクが増えることも示されました。