コンバットスティック テムジン カレイド TKLC-66MX スーパーコブラ
最後に登場するのはあの伝説の名竿、ショートロッドの伝説を作ったインスパイア・ガゼル(1997年発表)の正当後継機種「カレイド・インパラ」である。インパラを設計するにあたって、インスパイア・ガゼルを再度徹底的に細部に亘って検証しなおす作業を行った。
エバーグリーン テムジンカレイドスーパーコブラ TKLC-66MX
正直告白してしまうと、私自身このインパラは当初全く必要とするモデルではなかった。65以下のロッドに明らかなアドバンテージを感じなかったのである。なのに何故、インパラを作ったのか?その答えを明かすと、スーパー4軸ならボロンの良い部分だけを再現し、かつてのインスパイア・ガゼルを完全に超越するロッドが再現可能なのではと言う、純粋に革新技術に対する興味であった。しかし、全く同じマンドレルを再現用に使用しながら、ガゼル独特のトルクある粘りと剛性は簡単には再現できなかったのである。
はトリニティー3兄弟の中でもかなり異質な存在になる。一言でいえば一番使い手に優しく、穏やかな性格であり、積極的、能動的な他の2機種にくらべ、やや受動的な性格を持つ。ただ、3兄弟の中で最も優れた柔軟性と技術アシスト能力を持っているので、いざという時には全て竿任せでなんとかなってしまう。66MFXと言う表記は、フレックスファーストアクションの意味で、2.5:7.5の明確な硬度差もつティップセクションが特徴。しかし、適度に張りを残した優しく柔軟性に富むソフトティップを持ちながらも、他の兄弟にも劣らぬ強靭なバットと意外性に満ちた強靭なベリーというギャップを持ち、ティップで優しく包み込んで、ベリーでバッサリ切り落とす。ある意味、一番エグい性格を持つのがブラックレーサーでもある。バスにとっては、本気で牙を剥くと一番厄介な存在かもしれない。
エバーグリーン カレイド スーパーコブラ TKLC-66MXのサムネイル
ちなみに3兄弟で現在、私が最も試合で多用するのがレイブンで、常時2本は積んでいる。プロスタッフの間でも、試合投入の最も多いのがこの機種で、プロアングラーと一般アングラーの環境の違いによって、大きく評価の分かれるロッドだろう。
そして2008年、この新素材「」の完全武装強化によって、全てが一変した。限界に来たと思っていたロッドの開発に再び大きく門が開かれたような衝撃が走った。テムジンが持つ高弾性のキレと瞬発力、軽量高感度を維持しながら、クロスファイアの捻じれモーメントに対する圧倒的な耐久強度(トルク)を持ち、なおかつ、初代コンバットスティックのボロンを彷彿させる靭性とタフさも兼ね合わせた「スーパー4軸製法」。まるで最高の食材を目の前にして、どう料理し、何を作ろうか、余りに多くの可能性に迷いに迷っているようなワクワク感があった。
エバーグリーン/EVERGREEN 【KALEIDO TKLC-71MHX テムジン カレイド スーパースタリオン】
実際、これらの機種はテムジン従来機種と比べてロッド自重自体、スペック的にはむしろ重いのだ。しかし、実際に使ってみると「軽い!!」と誰もが口にするほど、このシリーズのバランスの良さを物語っている。無論、グリップエンドバランサーなども使ってはいない。