小児重症中耳炎症例に対するアモキシシリン増量投与法の検討-3 歳から 6


(急性中耳炎は、重症度に応じた治療が求められる、という)




現在、アモキシシリン(AMPC)は、本邦で承認されている小児の最大投与







・鼓膜切開が急性中耳炎を有意に治癒促進するという報告は少ない。

のどの細菌感染症である「溶連菌感染症(溶連菌性咽頭炎)」は、のどの「発赤」、飲み込むときの「疼痛」などで診断されますし、「急性中耳炎」は「発熱(熱感)」と鼓膜と周辺の「発赤」、耳の「疼痛」などを診て診断されます。

≥ 14歳:500mg,12時間毎 · アモキシシリンの成分に基づく投与量が望ましい

例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。

さて、小児の急性中耳炎の続きとして、今回は「大人の急性中耳炎」についてまとめていきます。基本的な考え方や患者さんの背景、原因となる菌の耐性率が大きく異なることなどに注意し ましょう。

る.中等症,重症時の第1選択薬はアモキシシリン(AMPC)高用量である.抗

「保育園でのませられないので、1日2回にしてほしい」よく言われることですが、ここで「1日3〜4回」と記載されている抗菌剤αを「1日2回」で処方するのは、効果の点で問題があるだろうと考えます。

小児の場合と同じく、大人でも重症度分類を行いますが、大人の場合は、症状によるスコアリングに加えて易感染・耐性菌のリスクファクターを考慮したスコアリングにより重症度分類が行われます。

[PDF] 乳幼児急性中耳炎症例に対するアモキシシリン増量投与法の検討

上記で重症度分類を行った後、小児と同じく検体提出を以下の通り行っていきます。

細菌は人間の都合に合わせてくれません。細菌は「この子は保育園に行ってるから手加減してやろう」なんていうことはなく、「どうにかして生き延びよう」とするものです。抗菌剤は適切な量を適切な回数使うことも大事なことです。


急性中耳炎児へのアモキシシリン-クラブラン酸治療は有効か―その2

・急性中耳炎は薬剤耐性菌の増加による難治化および遷延・反復が問題になっており,エンピリックな初期治療薬として抗菌スペクトルの広い抗菌薬が選択されがちである。しかし,高用量のアモキシシリンはペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)にも感受性があり,ほとんどの急性中耳炎に有効である。

急性中耳炎児へのアモキシシリン-クラブラン酸治療は有効か―その1

胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。

アモキシシリンの常用量を開始するという考え方です。 「ペニシリン1st」の理由と妥当性

肺炎
:年長児以上ではマイコプラズマが多い。乳児、幼児では肺炎クラミジアも原因になる。いずれも第一選択薬はマクロライド系抗菌剤(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど)

[PDF] 小児重症急性中耳炎症例に対するAMPC/CVA(14

中耳炎
肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因。第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン

その他にも中耳炎、乳腺炎などの炎症性疾患、肩こり、じんましんなどにも ..

クラビットジェニナックなど(ニューキノロン系抗菌剤)のほとんど
:動物実験で幼若動物に関節異常が認められたことから、小児(医薬品の年齢区分では「15歳未満」)は禁忌。トスフロキサシン(オゼックス)に限り小児適応あり。

「急性中耳炎」に対する治療薬例の『抗菌薬・投与量・治療期間』の3点を確認できます.



急性中耳炎児への抗菌薬治療の有効性については、なお議論が続いている。フィンランド・トゥルク大学病院小児科部門のPaula A. Tahtinen氏らは、二重盲検無作為化試験の結果、3歳未満の急性中耳炎に対する抗菌薬アモキシシリン-クラブラン酸(商品名:オーグメンチン)投与は、プラセボと比べて有害事象は多いがベネフィットがあると報告した。NEJM誌2011年1月13日号掲載より。



試験は二重盲検無作為化試験で、(1)耳鏡検査で中耳滲出液が認められ隆起や可動性の喪失・制限など二つ以上の鼓膜所見があり、(2)鼓膜に紅斑など一つ以上の急性炎症性徴候が認められ、(3)発熱、耳痛など小児が急性症状を呈する、といった厳密な基準で急性中耳炎と診断された生後6~35ヵ月児319例を対象とした。

被験児は、無作為に、7日間アモキシシリン-クラブラン酸を投与される群(161例)もしくはプラセボ投与群(158例)に割り付けられ、治療開始から終了までの8日間における治療失敗までの期間を主要転帰に評価が行われた。治療失敗の定義は、有害事象を含む小児の病態全般と耳鏡検査下での急性中耳炎の徴候とした。

結果、治療失敗は、アモキシシリン-クラブラン酸投与群は18.6%であったが、プラセボ群は44.9%に認められた(P

全体的に、アモキシシリン-クラブラン酸により治療失敗は62%低下し(ハザード比:0.38、95%信頼区間:0.25~0.59、P<0.001)、レスキュー治療の必要性は81%低下した(6.8%対33.5%、ハザード比:0.19、95%信頼区間:0.10~0.36、P<0.001)。

鎮痛薬または解熱薬が投与されたのは、アモキシシリン-クラブラン酸群84.2%、プラセボ群85.9%であった。





有害事象は、プラセボ群よりもアモキシシリン-クラブラン酸群で有意に多く認められた(P=0.003)。下痢が、アモキシシリン-クラブラン酸群で47.8%に認められたが、プラセボ群では26.6%であった(P<0.001)。湿疹は、それぞれ8.7%、3.2%であった(P=0.04)。

これら結果を受けてTahtinen氏は、「急性中耳炎児へのアモキシシリン-クラブラン酸は、プラセボと比べて有害事象が多いがベネフィットをもたらす」と結論。抗菌薬治療は、全般的な病態と耳鏡下での徴候を改善することによって治療失敗のリスクを低下すると述べ、「さらなる試験で、不要な抗菌薬治療や耐性菌の出現を最小とする一方でベネフィットを最大限にもたらす患者を特定しなければならない」とまとめている。

(武藤まき:医療ライター)

肺炎や中耳炎には、アモキシシリンの1日最大量は4000mgとありますね。 今日の治療薬

・わが国のアモキシシリンの標準使用量は少ないのでペニシリンは弱いと思われがちであるが,実際にはペニシリンは強い抗菌作用を持つ。